「浦島太郎」の裏事情
2022年08月24日
前作「桃太郎を読んで」を書いて思ったのは日本においては「太郎」というのは非常に重い名前であるということ。最近は山本とか河野を頭につける太郎が思い浮かぶという人も多いかと思うけど、やはりこと太郎については桃太郎の方がずっと格上は間違いない。さらに太郎と言えば、浦島太郎、金太郎と続く。ということで桃太郎に続いて浦島太郎と紐解いてみようかと思ったのですが、ちょっと調べたら、知らなかった! この浦島太郎の話は桃太郎と違う意味でかなり胡散臭い話であります。もともとは助けた亀に連れられて竜宮城に行ったわけです。自分で行ったわけじゃない。そこで随分と歓迎を受けるわけですが、それで帰ろうかという流れで、開けてはいけない玉手箱を渡されて帰るとすっかり様変わり知り合いもいない。落ち込んだ浦島太郎がつい箱を開けると、あらとおいぼれ老人になる。
この話のメッセージは、ちょっと良いことをしたくらいで調子に乗るな。どんな善人でも言われたことに背くと厳しい罰を受けるのだってことでしょうが、でも明らかに罰が重すぎる。実はもともとあった原作の御伽噺を明治時代に尋常小学校の教科者に載せるときに結末を大幅に編集してこんな話にしちゃったそうなんです。上の命令には必ず従えというお上からのメッセージのわけですが、なんと原作はハッピーエンドらしい。まあご自分でそこはお調べいただくとして、この「上の命令、偉い人の指示には従う」は日本人のDNAと呼んでもいいくらいに昇華している気がします。こんなひどい話でも子どもに平気で親が読んであげている。ということでわたしの結論、「浦島太郎」子どもに読ませるな、でした。さて桃太郎、浦島太郎と来たら、これは次は金太郎だろう。気が向いたら金太郎も書いてやろうかな?でもその場合にわたしの金太郎はきんたろうとは読まない。「きんたろう」ではなく「かねたろう」と読ませよう。もう聞いただけで笑えてきません? これだけ考えてあとはなにもないけどさぞかし愉快な話になりそうだ。
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