なぜ人は敵意を持つのか?
2022年08月24日
重松某氏の「カラス」という短編がある。バブルの真っ盛りに無理して買ったマンション。突然バブルがはじけてその価格は暴落する。マンションの下落などなんの関係もなし重くのしかかる住宅ローン。家庭内で諍いが絶えない。そこに引っ越してきたある家族。暴落したところの安値で買った幸せそうな家庭。対して前からの住人たちは沸き起こる敵意を止めることができず、徒党を組み、、という小説。こういう関係においては言葉遣いはあまり意味をなさない。何を言っても頭にくる。何気ない言葉で馬鹿にしやがってと怒りを感じる。確かに言葉遣いで刺激する部分はあったかもしれない。
だがいくら気をつけても結果に大差はない。かけ離れた状況の違いが敵意を作り出している以上いずれどこかで爆発する。たまたま同じマンションに住むという偶然がなければこの敵意は生じなかったはずの両者。インターネットはその垣根を一気に取っ払う。棲む世界が違い本来邂逅もすべきでない両極端がいとも簡単に交わり合う。幸せさを隠さない人間に対しての激しい誹謗中傷、侮辱、名誉毀損。その根っこにあるのはまさに敵意であろう。成功者に対して敵意を見せる人たちにはなにかしら同じ匂いがしたが、なにやら疑問が氷解する気分である。彼ら彼女らは、、、、お仲間である。
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