よい子は真似しないでね

2016年01月12日
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サラリーマンライフ
児童養護施設で働き出して3年4ヶ月になる。54歳で30年のビジネスマンとしてのキャリアも年収も肩書きもすべて捨てて子供たちとの生活を始めた。別に捨てる必要もなかったがもの好きが酔狂でやったようなものだ。まったく新しい仕事に取り組んだわけだが安月給で過酷な労働環境でかつ今までのキャリアはなんの役にも立たない。今は肩書きもないし名刺も持ってない。ハルトモさんと呼ばれればまだいい。死ねとかジジイと施設の子供からは罵られる。

わたしのような選択をした友人知人をわたしは他に知らないが、よく人から言われるのはハルトモは金があるからそんなことができるのだろう。こっちは余裕がないからとても今の仕事を捨てられない。だがどうなんだろう? とわたしは訝しく思っている。だってやったことないんでしょ。だから余裕が出たらどうするか? 自分でわからないんじゃないだろうか? 

わたしが思うには30年も長々やってきてそれなりの実績を積んで築いた社会的立場と収入を少々余裕があるとかであっさりと捨てられる人間はそうそういないと思う。今の仕事を続けていけば誰も失礼な言い方をせずに丁重に扱われ立派な肩書きで呼ばれるのに、ただの名前だけになるなんて、たぶん多少なりとも自分が上等だという意識があれば耐えられないと思う。

わたしは元々無頼漢だし勝負師を自負している。どんな肩書きがつこうがそんなものすべて仮の姿だ。己を取り巻く社会とうまく折り合おうなんて思わない。マズローなんて知ったことかである。そういうのりで生きてきたから捨てるのに躊躇はなかった。というか別に捨てた気はないのね。ハルトモという人間そのものはなにも毀損されてないのだから。ただ着ていた服を捨てたような気分である。

わたしがこういうことをしゃあしゃあと言えるのも確かに金があるからだが、だがそんな大金持ちじゃないですよ。一生金に困らない程度だ。そんな派手な生活もしていない。わたしくらいですっぱりとこれで分相応と割り切れるかどうかだね。ハルトモ君みたいにできる人間はいないというか誰も真似したいと思わないだろう。良い子は真似しないでくださいって奴だ。
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