芸事に忖度なし、、、だが
2018年03月15日
9代目林家正蔵の落語をテレビで見る機会があった。わたしは講談の修行を数年していた経験があるので多少話芸に造詣があるが、彼の落語はお世辞にも褒められないと感じた。人間の薄さがそのまま出ているのかも?とわたしは感じた。いくら技量を磨いても人間をあっけなく見破られるのが話芸の恐ろしいところ。名跡正蔵を継がされた彼が可哀想であるが、もっともそれも一興という見方もある。名前に押しつぶされて喘ぐ落語家の跡取りというのもそれなりに見応えはある。
芸事の世界はまことに厳しいと言わざるを得ない。例えばトヨタ自動車の社長は豊田家の御曹司だが、彼の力量不足を問う声は聞こえない。まあよくわからんのである。彼を担いでうまく行くと決めた企業が支えれば彼はそれなりに格好はつく。そこが芸事とは大きな違いだ。安倍首相だって同じだ。政治家としての力量なんて言うなら関係ないのである。血統だけで説得力があって、周囲丸く収まるなら本人がどれほどのものか、それは二の次。芸事に比べれば甘い世界ということであろう。そう考えると正蔵を悪く言うこともないわね。頑張れ正蔵という気になる。酷評が肥やしとなれば将来がある。逆に忖度ばかりされたら本人の成長はあるまい。
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