製造業への投資を得意とする理由

2024年02月11日
0
株式投資
スクリーンショット 2024-02-11 8.23.28

モバイルモニターを買おうかなと検討しているのですが、Amazonでモバイルモニターと検索すると何十というメーカーというかブランド名が出てきます。何十どころかもっとあるかもしれない。どれも中国製で聞いたことないものばかり。そして基本スペックはほとんど同じです。ちょっとづつ物は違ったりもあるようですが基本構造はほぼ同じ。その上で値段のばらつきがすごい。1万円から4万円、もっと高いのもある。中小企業じゃ液晶は開発できないし製造もできないんだから、どこかから液晶を買ってきてフレームとか回路部と液晶を組み立てているだけじゃないかって思います。液晶を買ってきて組み立てるだけでなんでこれだけ値段がばらつくんでしょうか? ここに物作りの面白さがあります。電子関係のものづくりってのは原材料に加えて製造過程での検査とか調整ってのが大切です。不良品を顧客に出荷しないよう検査で食い止めるってことです。物てのは全て同じにはつくれません。必ずバラツキがでます。すべての部品に許される公差というものが決められていて、バラつきを組み合わせて製品ができあがる。そこでスペックから外れると検査で落ちる。製造工程ごとに検査していくとそのたびに不良品が出ます。これを歩留と言います。歩留90%と言ったら100個作ったら10個分ははじいているってことです。この歩留は製品ごとに異なります。また不良品は捨てられる場合とリワークと言って再調整して出荷したりまた製造工程に戻す場合もあります。こういう検査と調整をどれだけ厳しく真面目にやるかで製造コストは大きく変動する。検査そのものを手抜きでやれば検査調整のコストも節約できて歩留もよくなりますから結果安く売れるってことになります。その代わりいい加減な製品が流出していきます。おそらくモバイルモニターの値段の差はどれだけ真面目に検査調整をしているかの差だと思います。

さてこれを顧客から見るとどうなるでしょうか? 顧客としては当然安い方が良いわけです。製造側でいくら不良品が流出していると言ってもさすがに良品の方がずっと多いわけです。でないと返品続出で評判も下がるから生き残れない。買う方は1個であれば運が良ければ機嫌良く使えるわけです。不良品を掴まない限り高いのを買ったのと同じになる。物と機能が同じであればそれは安い方がいいわけです。もちろんたくさん買う場合は話が違いますが個人で買うモバイルモニターでは運不運になるでしょう。では運任せで安いのを買うか?それとも手堅く高いのを買うか? ここで考えるべき点があります。製造業と言うのはすべてのコスト要素が同じレベルになるんです。どういうことか言うと、製造工程がいい加減な会社は顧客サービスもいい加減になるのです。どっちも手間と費用を惜しむからです。またちょっとした材料で高級な部品を使っている場合はその後の製造もしっかりとしている場合が多いです。手間と費用を惜しむ会社は高い材料なんか使わないからです。つまり製造業というのは顧客から見える切り取った詳細にその企業のレベルが現れていると思って良いのです。モバイルモニターでしたらUSBの端子を自分で抜き差ししてみると良いと思います。作りの良い端子を使っている場合はピシッとはまりグラグラしない。安いのははまり方が頼りないしグラつく。でもネットじゃ現物確認できません。その場合は不良品が出た場合の対応が良い会社を選ぶべば良いと思います。また保証期間の長さも重要です。製品に自信がないと保証期間は長く設定できないです。顧客サービスがしっかりとしている会社はだいたい製品もまともなんです。手をだしちゃいけないのは返品に気持ちよく応じないとか対応が遅いとかいう会社です。そういう視点で口コミを見たら良いと思います。一個一個のものの悪さ良さってのは所詮一時例に過ぎません。いくら真面目に作っていても不良品というのは出るものですから。ということでわたしは製造業への投資を得意とする理由ということで書き出したわけですが、こうやって製品を見ることで会社を見抜く眼力があれば製造業への投資は非常に安全なものになります。変な会社には投資しないですみます。みなさんはご存知ないと思いますが自動車てのは品質の良いメーカーと品質が劣るメーカーでは不具合の発生率は桁違いなんです。実は物作りのレベルは全然違う。品質の良い会社と悪い会社、どっちに投資すべきか答えは明白です。
関連記事

Comments 0

There are no comments yet.

コメント投稿

更新順
同カテゴリ