ROE(自己資本利益率)などむしろ見ない方がましくらいの人が多いかも
2023年04月23日
同じ業界で似たような規模でA社とB社があります。A社のROEは10%、B社のROEは20%だったとしましょう。それ以外にPERとかROAとかEPSとかPBRは値が全て同じだとします。同じになりっこないと思いますが無視して下さいという意味です。さて投資妙味というか投資家から見て好ましい会社というのはA社B社どっちになりますか?、て質問でした。

税務研究会さんのサイトよりお借りしました
たぶん最も初級者向けの見やすい貸借対照表
ROEというのは純資産(自己資本)に対してどれだけ利益を上げたかの指標です。ROE=利益額÷純資産で計算されます。さてROEが会社の収益性の高さを示すと思っていたらそれは正しくありません。株主から集めた資本を使ってどれだけ利益をあげたかは示していますが、別に会社としての収益率の高さを示すものではないのです。理由を説明しましょう。下の表をご覧ください。

A社もB社も同じだけ利益を上げているとしましょう。この場合ROEはB社の方がA社よりもずっと高くなります。分母が小さくなるからです。自己資本比率が低くて借金まみれで会社を回しているB社の方がROEは高くなる。同じ資産を活用して同じ利益を上げているのに。ROEが高いB社の方が投資先として有望だと結論づけて良いと思いますか? 同じ自己資本比率で同じ利益であればROEが高い方が良いです。ただROEは財務テクニックとして数字をあげるように操作することが可能です。純資産を減らして借金比率を増やせばいい。こういうことがわかってないならROEなど見ない方がましなくらいです。ROEをもし見るならROAも同時に見るべきです。ROEとROAと自己資本比率の関係がわかるならですが。
- 関連記事
-
-
ゴルフ観戦はゴルフより疲れました。株式市場観戦は疲れませんか? 2022/09/29
-
個人投資家にとって己の分を知るとは 2020/01/01
-
状況の変化に対応できるのは入念な準備があるからこそ 2022/11/24
-
リフォーム代は80万円ほどでした 2020/10/08
-
株式投資は自分との戦い? 2021/04/11
-