バイデンがゼレンスキーを利用してプーチンを嵌めたという陰謀説
2022年03月05日

頂き物の梅と桃です
ネットではバイデンとかNATOがプーチンを追い込んで戦争をさせるように仕向けたという陰謀説がさかんに流れています。海外で凄いですが日本にもけっこう流れてきています。ウクライナには生物兵器のラボがあってアメリカ主導で生物兵器の研究と製造が進められているとか。これはわたしが調べた限りでは出元はアメリカで有名な「陰謀論者」Qアノンだと思われます。Qアノンが主張する有名な陰謀は、ヒラリークリントンが世界の子どもの人身売買の親玉だという主張とか、911は実はジョージブッシュが仕組んだとか、最近では世界を操る秘密結社ディープステートの存在とそれと戦うトランプとか。こんな話でさえ真に受けて信じる人がたくさんいるわけです。今ウクライナ関係で流れているバイデンがゼレンスキーを利用してプーチンを嵌めたという主張。Qアノンは極右で親ロシアだと思われますのでそういう噂が流れても不思議はない。海外から日本に入ってきてTwitterとかで流されています。
話の元というのは必ずあって、バイデンは副大統領時代にウクライナに何度も訪問してウクライナ政府とはかなり親密な関係を築いていたというものです。そこからバイデンの息子がウクライナと癒着していたという話になり、さらにはバイデンの後押しでペンタゴンがウクライナに生物兵器の工場を作った。さらにウクライナをけしかけてNATOとEUへの加入を進め対ロシア包囲網を強化しようとした。それを阻止すべくプーチンがやむにやまれずウクライナに侵攻したという話です。そして戦争になれば結局儲かるのはアメリカである。アメリカは自国の儲けのためにウクライナを利用してプーチンを嵌めたのだ、という主張のわけです。
まあいくばくか本当のことも含まれているので、信じてしまう人間もでてきますけど、時間軸とか経緯を詳しく調べていくと辻褄が合わないのです。上手に作り上げている。たとえばバイデン副大統領がオバマの意図を受けてウクライナに訪問したのはロシアによるクリミア併合の後です。プーチンの強硬姿勢に対してバイデンがウクライナに派遣された。さらにゼレンスキーが政界に入ったのは2019年に大統領になってから、でもバイデンが副大統領でウクライナに通っていたのはそれよりずっと前のポロシェンコ大統領の時。さらにバイデンは副大統領で大統領のオバマの知らないうちに生物兵器工場をウクライナに作れるわけがない。さらにトランプ大統領の下で増やせるはずがない。ゼレンスキーは前任のポロシェンコ路線を踏襲せず最初アメリカではなくプーチンと話し合おうとした。でも陰謀論を信じる人って、もうバイデンが嫌いだとか、ゼレンスキーが気に食わないとか、そういうところから入ってきて細かな検証なんかしないわけです。嫌いな人間だから悪い奴だって思い込む。これだけ書かれているんだからきっと本当だろうってノリのわけです。全体としては感情が先行して理論が弱い人たちがQアノンを信じやすいそうです。さらに背景には自分の現状に対する不満とか鬱憤がある。そういう見立てを目にしたことがあります。結局単純だから悪人とヒーローという構図を好むのでしょう。
ただ世の中には陰謀が渦巻いているというのは事実だと思います。ただそんな単純な陰謀論で語られるほど底は浅くない。さらにいろんな力が加わっている。複雑怪奇だし、さらに陰謀をやっていない国なんてない。ウクライナについてももちろん何か知られていない秘密があると思います。少なくとも陰謀説を信じ込んで拡散したりしないようにはしたいものだとは思います。確証がない話は信じ込まずに人にも拡散しないほうが良い。ちなみにわたし川口晴朋はインサイダー取引という犯罪で株で儲けたといういうフェイクニュースが流されたことがあって、流している人間は悪意を持って流しているのですが、事実関係とか見ればまったく出鱈目なのに、それを信じ込んで拍手したり、いいねする人が必ずそれも相当数いるのです。たぶん理由はわたしが気に食わないから。そういう人たちには事実なんてどうでも良いのです。嫌いな人間を叩く情報を信じるという頭の構造のわけです。世の中から陰謀説は決してなくならないとある識者が言っていました。それは人間の感情が創り上げる虚像だからです。なるほどと思います。
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