この会社は変わった!と思いたい気持ちが危ない

2022年01月17日
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株式投資
自動車業界で過去に大きな不祥事とかトラブルを起こした会社への投資を考える人がいます。わたしは懐疑的でよほどの確信がない限りすべきでないという立場で、人から相談受けても止めたほうが良いとアドバイスします。なぜわざわざ不祥事を起こした会社に投資したいのか? それは儲けたいという欲があるからです。安く放置されていればそろそろ買いじゃないかと思いたくなる。ただよほど業界とか会社に詳しいなら別ですが、一般的な個人投資家がさほどの根拠なくもう不祥事は起こさないだろうと考える理由は、投資して儲けたいからです。もう買いたいが先にある。自分が投資する気が全くない不祥事を起こした会社で、かつその会社のことをよく知らないで、それで二度と不祥事を起こさないと思いますか? という質問を受けたら、みなさんなんて答えますか? 答えは「わからない」でしょう。わかるわけがないのです。わからないなら投資をしないことです。つまり自分がよくわからないものには投資をしないという基本姿勢があるかどうかということです。

ただよくわかる。よくわからない。も自分の判断ですから、よくわかってないのに分かった気になる人もいるわけです。そもそも多くの個人投資家は自分というものをわかっていません。根拠なく自分は儲かるかもと考える。ただ真面目に考えれば、儲かるか儲からないか、わからないでやっている人が実際多いのです。それはさておき会社のことですが、ではどこまで会社のことをわかれば良いと思いますか? 例えばわたしが自動車業界に詳しいのは読者はご存知だと思いますが、わたしくらい詳しくてかつ綿密な調査をする必要があるのでしょうか? それが実はわたしもわからない。だからここで良いと線を引けない。線が引けないのでとことんやって自分くらい詳しい人間は他にいなさそうというくらい調べる。それでも不安でなかなか手が出せず、さすがにここは勝負だという時だけ勝負してます。

こと自動車業界についてお話ししますと、例えば車の開発というのは基礎技術開発は別としてだいたい3−5年で一回りをします。そして5年とか7年製造が続きます。それがいろんな車種でぐるぐる回っていきます。多くの部品は同じ品質基準で設計製造されてさらに共通化されています。さてなにか大きな不祥事でも起こしたとしましょう。ではそこから会社が心を入れ替えて悪いことはしないと誓ったとしましょう。新しい体制で作られた車が出てくるのはどんなに早くて10年くらいかかると思います。その間開発を止めることはできないし既存の部品も使わざるをえません。本当に変わったかどうかなんてよほど業界に精通してないとわかりませんので、わたしなどは中身にもよりますけど15年とか20年くらい見てみないとなんとも言えないと思います。自動車の場合は、発売された車を見て、お!この会社変わったとか思う投資家もいますけど、たぶんそう思いたいのでしょう。何年前から開発された車だかわかってんですか?って聞きたくなりますね。ただ話が単純じゃないのは、わからず買っても株価が上がって儲かるかもしれないし不祥事だって起きないかもしれないし、そこはなんとも言えないわけです。そこが株の面白さであり難しさとも言えるのかもしれませんけど、ただわたしのように考えていればまず簡単には負けないってことかと思います。



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