日本一高い焼き鳥
2013年01月30日
自慢話が得意なハルトモ君だが
その中で一番の自慢は
人様の命の恩人になったということだ
震災の三日後に愛車フォルクスワーゲントゥーランで
被災直後の気仙沼に乗り込んだ
自衛隊以外民間人は外から誰も入っていない被災地であった
そこで50年前つきあいのなかった
母と伯母を見つけ出し救出した
これはブログに書いたな
伯母は死ぬとこだったが
わたしが48時間寝ないで運転して
さいたまの病院に連れ戻って
医者は覚悟してくださいと言ったが
手厚い治療で奇跡的に
命を長らえた
今その伯母は被災地からはるか遠いさいたまの老人ホームに入っている
身元引受人はハルトモ君である
わたしの記憶にない伯母だが
その伯母によればわたしが3歳の時に会ったことがあるらしい
わたしは3歳でもとても可愛くて賢かったんだそうだ
その点は異論はない
離婚後わたしが極貧で育ったなんて全く知らないらしい
今日は伯母のいる老人ホームに面会に行った
よお元気かい
ああハルちゃんか
そうだ
よくわかったな
そんなにボケは進んでないな
完全にため口だ
お前が3歳の時に面倒見たんだぞ
はるちゃんは可愛かったなあー
ああ、そうかい
そんなに可愛かったら
なんでずっと面倒みなかった?
お前は金持ちの子だと思ってたよ
昨日健康診断の結果がきてたよ
おまえのかい
ちがうちがう
しみこさんだよ
(名前はしみこだ)
どこも悪くないって
へーそうかい
いくらでも好きなだけ生きたらいい
わたしの土地はハルちゃんにやるよ
いらんいらん
自分で稼いだもの以外いらん
わたしが金があるときは
兄弟から甥っ子からみんな寄って来たよ
(以前は気仙沼で店を経営していて羽振りがよかったらしい)
それで金がなくなったら、
そしたら誰もこなくなって
それで代わりにハルちゃんが来てくれた
ハルちゃんの面倒をちゃんと見たからだ
わたしは焼き鳥を焼いてあげたんだぞ
おいおい
一回遊びに行っただけだろう
ずいぶん高い焼き鳥だな
たぶん日本一高いぞ
そんな会話だ
わたしは
しみこさんに見返りなんで何にも期待してない
お世話になったとは言えない実母の
そのまた知らん姉だが
肉親は肉親だ
わたし以外助ける人間がいないのだから
それも縁だ
みんな自分の納得でやること
恩を着せても帰ってくるものもないのだ
じゃあまたな
ああたまには会いに来てな
おいおいしょっちゅう来てるだろう
(認知症なんでよくわからんのだ)
それにしても
この伯母さんついてるな
このハルトモ君のお世話になれるなんて
なかなかなれんぞ