ものの値段
2014年09月01日
25年ほど前にプライベートでニューヨークに行った時のことだ
街の売店で安物の時計が30$で売られていた
ちょっと歩いた先の店で、同じ者が10$で売っていた
それを見てとても感心した
さすがアメリカだ
当時の日本では
同じものにそれだけ違う値段がついているのを見かけることは
まずもってなかった
今はだいぶ様変わりだ
写真は
オーディオ用の光デジタルケーブルである
アマゾンブランドで540円
この光デジタルケーブルを
家の側の家電量販店で買おうとすると2000円近くする
確かに同じものではないが
少なくとも量販店で買う人間は
オーディオマニアではあるまい
なんでもいいという人間だ
テレビの接続に使われる
HDMIケーブルも似たようなものだ
秋葉原とかアマゾンでは数百円
家のそばの量販店で2000-3000円
こういった高いケーブルを買っていく人が
それなりにいるから量販ではそういう値段がつくのだろう
売れるならその値段で売っておけということだ
わたしはそういう顧客にはなりたくないな
前の会社に入ったばかりの時に
ある日本の財閥企業に納めた一個3万円ほどの戦車用の部品
ミルスペックというアメリカの軍需仕様の認証を得ている
これを100個ほど納めたのだが
わたしの前任者とお客のやりとりに不備があって
間違った型番で発注されてしまった
使いだしてわかったのだが、そんな数が流れるものではないので
返品は受け付けない
わたしが担当になって
それでアメリカからの仕入れ価格を調べると、なんと3000円である
入社したてのわたしは驚いた
3000円で仕入れて3万円で売るという商売を知らなかったのだ
問題はなんなく解決した
返品はできない
ただ置き換え品は半額で提供しましょう
このわたしのオファーに
お客は満足して快諾だ
だが原価は3000円だから15000円で売って
またずいぶん儲かっている
さすがアメリカ企業だ
素直に感心したね
こうやって儲けるんだって
だが会社に長年いたが
こういう話はこれが最初で最後だった
自動車部品は一円単位で激しい競争する
日本の自動車メーカーは
すべての部品の値段に精通している
まあどっちも商売ということだが
その規模が小さくてめくじらたえるほどでなければ
また競争がなければ
値段はどうにでもなるのだ
値段がどうにでもなると言えば
株価はまさにその世界
わたしが60円で買ったボッシュの株は600円で売れた
本当によい商売だった
世の中には
損切りだと称して
500円で買ったものを450円で手放す人間がいる
ビジネスという観点からみれば
おかしな商売だが
もっと下がるという恐怖があるから
売らざるを得ない
中身を見ないで箱だけで売買しているようなもんだな
たまに中を覗くけどよく見えない
相場ってのはそんなもんだろう
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