まっちゃん、しみちゃん、そしてしげちゃんの話の続き
2023年10月03日
特養に入ったしみちゃんとマンションにいるまっちゃんは将来的には気仙沼に一緒に帰るという話を最初していた。それがいつ帰るのか、あるいは帰れないのか判然としない状態で、わたしがマンションから被災者用の公営住宅に移るように話したことで、まっちゃんとしてはわたしのマンションを貰うという線は消えた。そこでまっちゃんはしみちゃんを見捨てて気仙沼の避難所に単身戻ってしまった。しみちゃんのお金と年金が振り込まれる口座のカードも持っていってしまった。マンションにある羽毛布団も気仙沼の避難所に送った。わたしはしみちゃんを押し付けられた形になった。結局しみちゃんはその後数年生きてわたしが看取ったし、簡単な葬式も出した。しみちゃんにはまっちゃん以外に兄弟が2人いたが、誰も来なかったし香典さえ送ってこない。結婚していないしみちゃん、墓は実家に入るのが筋だけど兄弟がダメだと断ってきた。
それで集合墓をさいたまで見つけて今でも定期的に我々夫婦で墓参りしている。まあそれはそれでしかたない。しみちゃんそのものは愛嬌があって話していて楽しかった。自分はハルトモのおかげで幸せだとよく言っていた。しみちゃんは「貧乏人は心も貧しい」ってよく言っていた。まっちゃんとはその後音信不通になって、まあそれで構わないと思っていたんだけど、ある日急に連絡が来た。被災者住宅に入るのに身元保証人が必要で誰もいないからなってくれと頼んできた。呆れる思いもあるけどまあ確かに実母だからしかたないかと保証人になり、その後年に一回は気仙沼に行っていろいろ買ってやったり小遣いをあげたりしている。震災後の経験を通して実母のまっちゃんという人間のことがよくわかってそれはよかったと思っている。結論から言うと、死んだ親父とまっちゃんはとてもよく似ている。自分のことで精一杯な人たちで自分の子供まで気が回らないのである。そしてとても自分に甘い。まっちゃんによるとわたしは自慢の息子なんだそうです。それはよかったねと呆れながら言うしかない。今日気仙沼の市役所に電話して担当者と話しました。今月中に会うことになりました。今後どうなるかはわかりませんができる範囲のことをしていくことになります。
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