「私の自由人への道 2」すべての道は競輪場に通じる

2023年07月29日
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私の自由人への道
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身も心も会社に捧げないで、まあ「言われたことぐらいはやってやるよ」って鷹揚なノリで働いて、で実は実家がけっこう太いとかマスオさんであくせく働く必要がないサラリーマンっていますよね。わたしの友人知人でもいます。わたしの友人で地方公務員、あまり転勤しないでのんびり働きながら奥さんの実家に入った奴がいて、住宅ローンもなにもないです。娘が地元の国立大で教育費もかからない。自分の実家は実家で土地とか貰えるんでそこにアパートでも建てようかなあ、なんて言ってます。こういう人間は「自由人になるぞ」なんて気色ばむ必要もない。わたしが最初に入った会社でも二世帯住宅とかで親から金を出してもらって住宅ローンがない人間ての余裕綽々って感じでした。それと仕事をしていてもローマ時代と違って現代はご主人様がいない組織てのもあるわけです。そういう組織は奴隷が威張っていたり奴隷同士でいがみあったりもありますけど、それほど一方的に従属するわけじゃないので、そういう組織でのんびり働きながら経済的な搾取をほとんど受けないで生きていけるなら、これは立派な自由人でしょうね。言うなら「隠れ自由人」同時に「隠れ富裕層」だったりする。

わたしの場合はそうはいかないわけです。むしろ実家が足手纏いになるくらい。その上でご主人様がいる会社に入っちゃった。これはある意味良かったと今は言える気がします。だってなんとかしようって本気で考えたから。その本気で考えた結果が、プロギャンブラー。わたしも若かったんでしょうね。笑っちゃうって言うか、「俺は競輪の車券師で生きていくんだ」なんて言ってたから友人には本当に笑われていた。「馬鹿な奴だって」 まあそれは少し後の話で、一番最初は独身寮の先輩のミッチーが奈良競輪に連れて行ってくれた。車券の買い方とか偉そうに講釈してくれた。当時は買い目の表示がついた握り拳一つ入るくらいの穴が空いていて、100円玉何枚か握って入れるとそのお金を取ってその分の車券をくれるからまた握って穴から拳を引き出す。5点買うなら5箇所回る。車券がうすーい紙切れでそれがレースが終わるとバッ花吹雪のようにハズレ車券が飛ぶんです。とても綺麗でした。そんな競輪場の空気感に痺れた。競馬よりはるかにデカダンなんです。もともとギャンブル好きで麻雀放浪記を人生の指南書だと思って読んでいた人間です。ギャンブラーのやさぐれ感が堪らない。まさに渡世人=自由人だ。麻雀は相手から金をもらわないといけないのでそんな夢があるって金額は儲からない。競輪ならおーって金額が一瞬で手に入る。金払いはやたらいい。

それでサボリーマンですから喫茶店や映画館に行く代わりに競輪場に入り浸るようになった。その時は知らなかったけど阿佐田哲也も競輪が大好きで競輪はギャンブルの王様だってのちに書いています。それくらい奥が深い。競輪場というのは各地にあるんですが、それが当時仕事で病院周りをしていたわたしにちょうど良かった。岸和田競輪に行くんだけど岸和田市民病院なんて出先簿に書いて、実際朝一番で行くんだけど、もう午後は競輪場です。そういう暮らしを何年やったか? 行くところは商談で決めるんじゃないのです。まず行く競輪場を決めてからそれから行く病院を考える。すべての道は競輪場に通じるです。それくらいのめり込んだんですが、始めてすぐにわかりました。これは普通に遊びでやっていたら何も残らない。たぶん身の破滅だと。ただ一方で考えたのです。「やりようによっては勝てるんじゃないか?」と。理由は競輪場の中を見渡しても、話していることを聞いても、どうにも賢そうな人間がいないのです。昼間から競輪場に入り浸っている人間ですからね。(人のこと言えないけど)車券というのは買った瞬間で胴元が25%取ります。残りに75%が配当として払い戻される。てことは75%をファン同士で取り合うゲームってことです。そのファンがさほど賢くないとしたら? 実はそれを裏付けるデータもあったのです。当時競馬と競輪を比較すると一番人気の馬券と車券の出現率が10%くらい違っていたのです。どういうことかというと競輪の方が当たってないってことです。競馬のように広く情報が発信されているギャンブルと違って、競輪は当時は電話投票もなく競輪場に押しかけた数千人の思惑で車券を買う。それで決して賢いと言えない連中が投票するからオッズが間違えるってことです。つまり競輪は競馬よりも勝機がある。そう確信したわたしは競輪研究に没頭するようになります。


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Comments 1

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zukamifu  

>75%をファン同士で取り合うゲームってことです。そのファンがさほど賢くないとしたら
>決して賢いと言えない連中が投票するからオッズが間違える

これ私も同感です。まぁ私自身も『決して賢いと言えない連中』に属しますけどね。
それでも『決して賢いと言えない連中の一人』って自覚する分、今は遊びって感覚でいられます。

とは言え、これでも若き日は競馬で家を車をと本気で思った時期があったんですからね。
さすがに私レベルでは家は立ちませんでしたけど、自分を本気でそう思わせるくらいのバックも時にあったって事です。

昔を思い出しながら読みました。(笑)
ギャンブル好きにはたまらない話ですね。





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