学歴と環境の話の続きの続き

2023年05月28日
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人生の考え方


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中学高校大学の中で一番勉強したのが大学時代だと書いたのですが、実はわたしの人生で一番勉強した時期は他にあります。それは社会人になってからでした。30代そこそこで外資系の技術の会社に転職しました。30年以上前、自動車にはさまざまなスイッチが使われていました。例えば圧力スイッチ。ある圧力に達すると接点がオンオフする。燃料圧、エアコンの冷媒圧、吸入エアー圧とか。それが大幅な電子制御化の進展でセンサーに置き換わっていく時代を迎えたのです。燃料圧、ブレーキ圧、トランスミッション油圧、圧力以外にも、荷重、加速度、ヨーレート、さまざまな用途がありました。センサーは接点のオンオフじゃなくて電子信号としてリニアに値を出力する。親指ほどの小さな筐体内部の構造は二つに分かれていて、ひとつはセンシング部と、もうひとつは信号処理部です。ちゃんと半導体が入っていた。センシング部も静電容量型とか歪みゲージ式とか複数あって、それが組み合わさってセンサーになっていた。そのセンサーを日本の自動車メーカに売り込むのがわたしの仕事なんだけど、実際はアメリカからエンジニアが技術打ち合わせとかプレゼンするために出張でやってくる。事業部の本部はボストンに近かったので、エンジニアはマサチューセッツ工科大学とかボストン大学の卒業生が多くて、まあ世界で一流のエンジニアです。それが日本にきてトヨタ、ホンダ、日産というこれまた日本を代表するエンジニアに説明をする。その通訳をするのがわたしなんです。英語を日本語にするだけじゃなくて日本語を英語にする。そして通訳だけじゃなく商談全体をコントロールする。だって新規事業新製品でエンジニア一人とわたしの二人だけのチーム。エンジニアは設計実験に忙しくて、対顧客はわたししかやる人間いないのです。

まず英語がまともにできない。英会話レベル。経営学部なんで機械工学電子工学など技術がわからない。どうやってやるんだと思われるでしょうが、わたしはやったんです。毎日10時間以上勉強してました。英語が4割で技術が6割くらい、それを実践でこなしながらです。英語は家で、当時は日本語のテレビなんかみないで家に帰ると英語しか聞かなかったです。昼間は業務の間と仕事とで技術の勉強。そんな生活を10年くらいやると流石にそこらの学生よりはよほどその分野だけは詳しくなります。英語も通訳なら帰国子女以上になりました。わたしがいた会社は帰国子女も多くいましたが、重要な商談はほとんどわたしが通訳していました。複雑な技術の話も多く英語屋さんでは手に追えないのです。もちろんアメリカ人エクゼクティブ相手に戦略論議やマーケティングのプレゼンもするという本業もやらんといかんのでこれまた勉強した。まあ20年くらいずっと勉強勉強の生活でした。勉強の内容は、英語、マーケティング、経営学、財務、機械、電子、化学、とかでした。学生時代にこれだけ勉強する人なんかそんないないと思います。よく学生時代にもっと勉強しておけば良かったとかいう人いますけど、わたしは大学もよく勉強したし、仕事はそれこそ必死でそんなこと言っている余裕さえなかったです。さてそんなことで、わたしが勉強しなかったのは中学高校の6年くらいで、大学と転職後は勉強勉強の人生だったのです。まさに環境と必要の賜物だったと思います。<続く>
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