ゴルフの話から株の話に繋がります。ついゴルフに例えたくなるのは、わたしはスキー、サイクリング、乗馬などいろいろやりますが、一番のめり込んだのはゴルフで、他のものよりも上手です。一応オフィシャルハンデ4.8.まで行ったことがあります。ベストスコアは73、ハーフでは34を出したこともあります。クラブチャンピオンになるような超上級者ではないですが夢見ていたこともあります。余談ですがかつてともに切磋琢磨したヒロ君は昨年とうとうクラブチャンピオンになりました。ヒロ君とは数えきれないくらい一緒にラウンドしましたが、わたしでも3回やれば1回は勝つのです。わたしもなかなかのもんだったということかと。
そのわたしが現在一番好きなショットはバンカーショットです。ポンといい音がしてフワッとボールが浮くように飛んでいく。那須のホームコースにはバンカー練習場があるのでそこで練習していると、知人や同僚から、上手いね、教えてくれないと言われることもあります。いいですよとまず打ち方を説明する。バンカーショットはフェースでボールを打つというよりフェースの裏面で砂を上から叩くという感覚が必要です。ボールの後ろを上からフェースの裏で叩くのです。金槌を打つ感じ。でも実際にスイングで横の動きも入るので砂を手前から爆発させて砂とボールと一緒に飛んでいく。砂は自分に向かってきます。なぜかと言うとフィニッシュでフェースが自分の方を向くからです。
はやく株の話をしろと言われそうですがそろそろです。その打ち方を教える。素振りでやってごらんというと、誰でもすぐにできるようになります。フェースの裏で砂を叩くだけなんでまあできるんです。それでいいです。となるからじゃあボールを置いてそのまま打ってくださいと言うと、100は切れるくらいというボギープレーヤーだと、ボールを置くととたんに言ったとおりにできないのです。言われた通りにやればいいのにボールを置くとできない。不思議ですがそれくらい自分の頭と体に染みついた既成概念と先入観が邪魔をする。ボールはフェースで打つものと強く思い込んでいるからフェースをボールに当てに行ってしまうのです。結局はフェースでボールを打つことは打つのだからそこが理解しがたい。フェースで最後は打つんだけどフェースで打つ気持ちを捨てなさい、というのは頭で理解できてもできるようになるにはやはり練習しかないのです
これと同じことが株式投資でも言えると思うのです。多くの初心者は株は上がるか下がるか予測するものだと思っている。上がると予測するから買う。当たれば勝つ。わたしは株価は予測しません。と何度言っても初心者(永遠の初心者を含む)には理解されません。確かに買って上がったところで売っているから、予測しているように見えるのです。バンカーショットと同じ。結局は予測していることにはなるけど、予測をしようとしないってことです。わたしの場合は何度も書いてますが、他の株主との位置関係を重要視します。株価そのものじゃなくて他の株主より優位に立ちたい、つまり人を見る、あるいはイメージする。わたしと交流のあるプロトレーダーはわたしとまったく違うことをやってますが、やはり株価は予測しないと言っています。予測したってそれで勝てるほど当たりやしないからです。
仮に何かルールを決めたとする。ところがいざ口座の金で自分で勝負をするとなるとルール通りにできない。ルール通りやらなくてもうまくいくことも多い。逆に正しいはずだと思うことを続けても負け続けることもある。正しいはずだと思っても結果がでないと疑いの気持ちが生じます。さらにやっかいなのは実際株式投資では正しい方法そのものが変化していきます。まるでワクチンのように変異に対して変えていかないといけない。状況が変わる中同じことを繰り返していてはいけないのが株式投資。正しさそのものは変化する世界でどれが間違っているのか、これは何がなんだかわからなくなるのも無理はありません。
にもかかわらず多くの株弱者は、自分が正しくできないのは、自分の意志が弱いからだと決めつけがちです。決めたことがある。その決めたことができないのは自分のメンタルが弱いからだというわけです。なんか論理的に聞こえるようですが実は勘違いだと思います。もともとできないことをやろうとしているのです。おかしな先入観とか既成概念があるのをそれを意思の力で乗り越えようとすることに無理があるのです。しなければいけないのは先入観と既成概念を乗り越えるのではなく取っ払うことです。その取っ払うためには多くの経験と練習を必要とする。だから教わって頭でわかった気になっても実際できるようになるために長い時間を必要とするということかと思います。つまりそれが腕前をあげるということかとわたしはそう思っています。
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