上がる株を探すんじゃないのです(私はね)
2022年04月04日
ちなみに「考える」とは何か? これも何度か書いてますけど、仕事ができない人間てのは自分のやっていることが他人が理解できるように説明できないのです。なんでそう考えたの? なんでそう判断したの? こういうことは考えなかったの? こういう場合はどすうするの? って思考プロセスについて聞いていくと、そこまでは考えていませんでしたとか、なんとなくそう思ったとか、人からそう聞いたとか、曖昧な答えになっていくんです。それは「考えている」とは言わない。ただ迷っているとか、なんとなくそう思ったってのは「考える」じゃないのです。
わたしは自分が縁あって詳しいか、よくわかっている業界の株にしか手を出しません。手を出す以上はかなり業界全体を調べます。なんのためにですか? 上がる株を探すためじゃないです。他の投資家をライバルと見なして他の投資家よりも優位な位置付けを得たいからです。業界に詳しい方が何も知らないより有利です。有利だから勝てるというわけじゃないですが有利のほうが良い。そうして業界の中でもこれはまあ信頼がおける投資に値する会社だなって思えるものもいくつか見えてくる。10や20はあります。でも10も20も買わないです。その10や20をずっと眺めていくんです。そして注意深く小さな変化にも気を配る。小さな変化は大きな変化の前兆です。それで自分が見ていた10の中から、こいつはこれから上がりそうだなってってものを買うのです。上がる株を探すんじゃないのです。見ている中から上がるタイミングを探すんです。株ってのは上がったり下がったりしている。どんなに良い会社でもおかしな時に買えば負けるのです。
でもいくらタイミングを計っても、買って上がるか下がるかは誰もわからない。底は近いなという感覚はあってもどこが底かはわからない。底を打って上がり出し上昇トレンド? また下がるかもしれない。底は結果でわかること。だから分割して買い下がるのです。それも万全の資金計画で。買うと言っても現金比率は90%とかから。だんだん積み増していく。なんでそんなことするんでしょうか? 底が欲しいから? 底自体は目的じゃないです。その会社の全株主の中で優位な位置付けに立ちたいのです。会社が潰れないかぎり一番安く買っている人間が一番有利で儲かるのです。そのポジションが欲しいのです。だから他の株主は同志じゃなくてライバルなんです。
買ったあとにもコストダウンするという話を書いてますけど、これもなるべく有利な位置が欲しいということです。上がるか下がるか誰もわからないということをよく体に落としこんでいないと目が曇ります。自分の期待とか憶測で思考を膨らませないことです。そして上がったらどうするか下がったらどうするか? どっちかしかないのだから、やることを決めておくことです。特に下がった場合に打つ手無しはいけません。塩漬けが一番問題なのは、全株主の中で自分がどんどん不利な位置付けになっていくのを黙って見ているということなんです。他の株主に優位な位置付けを取られているってことだから。当たり前のことですけど、同じ銘柄でも勝つ人間と負ける人間がいる。負ける人間は不利な位置を取るから負けるのです。わたしはポジショニングというマーケティングの概念を株式投資でも活かしているわけで、これはわたしが自分で考えたものです。よく自分で考えつくなとは自分でも思います。わたしは耳と耳の間に良いものに恵まれたってことかなって思います。
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