複雑な金融商品の本質を知る

2022年04月02日
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株式投資
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何気ない朝食ですが
カミさんお手製のにんじんと玉ねぎのドレッシングが美味しいです

ここで何度か仕組債という金融商品について触れています。毎月の利回りは非常に高いのですが、暴落時にリスクがあります。ノックインというあらかじめ設定されたポイントに達するといきなり大損するのです。つまり日経平均が決めた比率までもしも下落したら大損する。一方で暴落がない限りわりと良い利回りが出るというわけです。この商品のベースはプットオプションの売りのようですが詳しいことはよくわかりません。そもそもプットオプションの売りと言ってもよくわからない人が多いでしょう。でも理解できなくても本質は知ることができます。この商品を誰が作って誰が買い誰が引き受けるかを見れば商品の本質がわかるからです。仕組債を作るのはファンドです。そしてファンドが売ります。買うのは個人です。ファンドが作ってファンドが個人に売るものは、どんなに上手に化粧をしてもファンドが個人に適度以上のリスクを押し付けているものです。つまりファンドが個人を食う道具。でなきゃやるわけがない。慈善事業でファンドが商品作って売るわけないのです。

米国株でQYLDという金融商品が人気だそうです。非常に高い利回りの配当が得られますが、商品のベースになるのはコールオプションの売りだそうです。ただ詳しい中身はよくわかりません。特徴としては上昇局面でのキャピタルゲインを放棄する代わりに配当を受け取るということです。一方で下落リスクは負います。大暴落が来たら大損します。なんか仕組債に似てますね。ではこれは個人投資家にとって有利な商品なのでしょうか? これも本質は誰が作って誰が売り誰が買うかを見ればわかります。QYLDを買うのはたぶん個人じゃないでしょうか? 仮に個人がQYLDを買うとします。では誰かがそれを引き受けているわけです。誰でしょうか?ファンドでしょう。ファンドが作って個人に売っている商品であるなら、もう本質は決まりです。仕組債と同じです。ファンドが慈善事業で個人を儲けさせるようなことをするわけはありません。ただ上に書いた仕組債でもQYLDでも儲かる人はいます。局面的にはそういうことも起きますが、大きな規模と期間で見ていけばファンドが儲かるようにできている。つまりカジノとそのお客の関係ということです。

個別株が良いところは投資信託みたいに売り手を儲けさせる構造になっていないということです。トヨタ株は個人も買うしファンドも買います。一方で個人でも売れますしファンドも売ってきます。だから才覚力量があるなら個別株の方が搾取はされない。その代わり大手は思い切り力を振り回してきますのでそれをかいくぐらないといけないので力がない人はやるだけ不利になります。なかなか個人が勝てないのは、ファンドが個人を餌だと思っていてそういう仕掛けをあちこちに作っているからです。こういうゲームの大きな構造はカジノとかあるいは競輪競馬とかと本質においてあまり変わらない気がします。(たまにファンドも大損しますけど)公開していないのであくまでも想像ですけどたぶんカジノくらいには個人に不利な気がします。ビジネスとしてそれくらいないとやらないと思うからです。かと言って競輪競馬ほど酷くはないはずです。まあこのあたりはわかりませんけどね。


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Comments 2

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山姥  

相変わらず達筆で上手く書かれますね。
カジノに例えるとは思い切った書かれ方ですが、確かにマカオでブラックジャックやった時の気分です。手札が悪い時は張らなくて良いこと、撤退は自由なことが客の強みでした。負けだしたら早めに引くことにしましょう、それにハマると後が大変。勝ち逃げして、出国した時はちょっと怖かったです。

2022/04/02 (Sat) 11:19

川口晴朋(ハルトモ)  

Re: タイトルなし

そうですね。長居せずいかに勝ち逃げするかでしょうね。

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