肉まんお腹いっぱい食べたことありますか?

2022年03月21日
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人生の考え方
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我が家で揚げる天ぷら

わたしの場合は子どもの頃、自分の家で天ぷらなんて食べた記憶はありません。児童養護施設にいてそれから親父としげちゃんに引き取られて、しげちゃんは看護婦としてフルタイムでそれも夜勤で働いていたので、手間のかかる料理なんて期待もできません。おでんと湯豆腐とカレーが多かったです。それが結婚するといろんな料理をカミさんが作ってくれます。習っているわけじゃないし見栄えも味も人に自慢できるほどじゃないのですが、これだけいろいろ作ってもらえるということは自慢したいです。そばに住むおばあちゃんが天ぷらを作るので自然とカミさんも家で天ぷらをしてくれます。カミさんの天ぷらを自宅で楽しめるなんて、なんて幸せだって思いますけど、かみさんにとっては当たり前の自宅の風景です。良いかみさんを得たなと思います。

たまにコンビニで肉まんを買います。ゴルフに行く時とかあるいはサイクリングとかで簡単に食べたい時とか。今となっては当たり前かもしれませんけど肉まんを頼んで変なものが出てくることはありません。でもわたしが若い頃コンビニで肉まんを頼むと、湿気が多すぎてかベトベトになっているものや、あるいは底のあたりが固くなっているとか、これはかなりの頻度で遭遇したものです。わたしが学生の頃は肉まんを一度に3個くらい買ってました。それくらい好きだった。でも3個かって3個ともまともに美味しいってのはあまりなかった気がします。店に文句言うなんて当時のわたしには考えられなかった。

なぜ肉まんが好きになったか? わたしがはじめて肉まんを食べたのはたぶん中学生になってからだと思います。というのは児童養護施設では肉まんは食べてないと思うのです。その一方で小学校に入る前は肉まんてのは世の中になかった気がする。あったかもしれないけど見たことない。そのかわり甘食という円錐形の甘いパン?をお腹にたまるおやつとして人気がありました。それで児童養護施設から自宅に戻って汚い市営アパートに住むようになった頃、いろんな店の店先で肉まんが売られるようになっててきて、それで食べたいと言ったのか食べさせられたのか、確かおやじかしげちゃんが買ってきたんだと思います。それで食べたら温かくてこんな美味しいものがあるのかっておいしさに感じたんです。

それで当時肝っ玉かあさんという京塚昌子という女優は演じるテレビ番組があって、幸せな家庭ドラマなんですけど、折に触れて山盛りに盛った蒸したにくまんを京塚昌子が持ってきて、家族で食べるんです。今にして思えばスポンサーがにくまんメーカーだったのかもしれません。それでそのテレビドラマを見るたびにいつかお腹いっぱい肉まんを食べてみたいと願うようになりました。肉まんが幸せな家族の象徴に見えました。ということでわたしの中学生の時の夢は肉まんをおなかいっぱい食べることでした。だって家ではせいぜい1個多くても2個しか買ってくれない。食べ盛りの中学生高校生だと5−6個は食べないと腹が一杯にはならないと思います。

結局その夢は東京に出てきてアルバイトして暮らすようになってかないます。おやつじゃなくて食事として肉まんを食べる。それで何個も買うと上に書いたようにできの悪い肉まんに遭遇して悲しい思いをするわけです。そして何個も食べるとさすがに飽きるし、それとけっこうお金がかかる。定食屋に行った方が安くて美味しくてお腹いっぱいになるということでいつしか肉まんを爆買いする癖はなくなりました。儚い夢だったということですかね。でも今でもたまに一個食べるとおいしいなって思います。昔は大好きだったよなと思い出しながら、それにしても良い蒸し加減だなと感心しながら食べてます。

なんでも好きなものを好きなだけ食べられるのも幸せなのかもしれませんけど、ありがたみがわかる人間に育つというのは実際の暮らし向き以上に、その人の幸福感に寄与する部分は大きいのかもしれません。己の足るを知るにも繋がるのかもしれません。初心を忘れないとも言えます。こうなってみると児童養護施設の暮らしも極貧のアパート暮らしもあながち無駄ではなかったのかしらんと、わたしにすると夢のような、てんぷらなどが溢れんばかりに並ぶ食卓を前にあらたに感謝の念がおきます。何に感謝するというわけじゃないです。全てにですね。よくこうなれたなと自分の巡り合わせへの感心もはいってるかもしれません。ちなみに今コンビニでは一番上に肉まんの豪華版が高い値段で鎮座しています。わたしは頼みません。不思議なことに中華街では平気で食べてもコンビニでは豪華肉まんに手が出ません。わたしの原始心象風景にないからでしょうね。きっと。




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