寄付を自己満足で終わらせないために(児童養護施設に贈ってはいけないもの)

2022年02月02日
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児童養護施設のこと
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この絵本をご存知の方いらっしゃいますか?
以前この本について僕の時間をあげるという記事を書いています


この話は何度も書いているんですけど、世の中では児童養護施設にランドセル贈る人が美化される傾向は変わってないと感じます。今の時代は子供一人当たり予算化されていますからランドセルは公費で買えます。子どもはランドセルが送られてきても別に喜びません。もともとランドセルを送る運動を始めた人は児童養護施設の実態をよくわかってないんだと思います。志は立派なものだとは思いますけど、やはりその志も知恵とか知性とか行動力に支えらていないと空回りするだけなのです。でもランドセルを送ると施設からはすごく感謝されると思います。とくに施設長は喜びます。予算が浮きますから。だからやめてくれなんて表向きには言わないです。まあ言うならお金をもらったに近いとも言えるかもしれませんけど、このお金の使い方も現場を知るものから言うと児童養護施設は首を傾げるものが多いのです。

ネットで見たらネット社会で成功した人が児童養護施設にパソコンを送る運動だか企画をしています。
どんな使い方をしているかわかってやってんでしょうか? パソコンとか施設では悪の道に繋がるものと警戒モードマックスですから、普通の人が思うような使い方はされません。基本的にネットかに詳しい人材が児童養護施設にいませんので、怖い危ないばかりが先行して誰もまともにハンドルできないのです。わたしがいた児童養護施設は子ども向けに送られたパソコンがそのまま倉庫に積んでありました。贈ったほうは使われていると信じてるんでしょう。こうなるとこれはランドセルより酷いですね。お金を捨てたようなもの。結局寄付というのは自己満足で終えてしまうとろくなことにならないこともあるので、できればよく活動を理解してそしてフォローアップすることが大切なんだと思います。パソコンで言うなら保守点検やネットワーク管理とかセキュリティ管理とかユーザー管理とかぜんぶセットで寄付してあげると喜ばれると思いますが、そこまでやればたいしたものです。たくさん贈るより一台でもちゃんと面倒みるってことです。

12月になるとなんとなく人というのは寄付したい気分になるものらしいです。実際街頭の寄付を募る活動は年末に盛んな印象があります。そういう影響かどうかわかりませんけどクリスマスが近づくと、ケーキとかの寄付がけっこう来るんです。重なることもあります。連日になることもある。これは食べきれないってケースが出てきます。ところがこれが年の瀬も押し迫ってきても。おせちの寄付なんて来ません。聞いたこともない。どこかではあるのかもしれませんけど例外的だと思います。それで年末年始と言えど帰るところがない子どもと宿直の職員で一緒にちょっとした食事を作って食べるんですけど、それほどの贅沢はできません。そういう時になんか差し入れしてあげたら本当に喜ばれると思います。これも施設施設で状況が違いますから、ちょっと確認するという手間をかけて寄付される相手のことをよく理解してなにかしてあげるという態度があると良いなと思います。ちなみにわたしがいた施設では子どもは電子辞書を買ってもらえませんでした。必要ないと言う園長の判断でした。だからわたしは勉強熱心な必要とする子には自腹で買ってあげました。買ってもらえる施設には買って贈る必要はないと思います。

わたしは54歳で自己都合退職をして児童養護施設に勤務しました。年収は数分の1になりました。自分が定年まで働いてもあるいはキャリアを活かして転職しても、たぶん相当のお金を稼げたわけだし、加えてわたしは生涯でもらえる年金も減額をされています。数千万円いやそれ以上の金額を犠牲にして、それで児童養護施設で働き孤軍奮闘で、それでわたしに出会えてよかったと思ってくれた子どもは指で数えられるほどです。その多くも挫折してなんとか元気でやっていそうなのが2人か3人。効率悪いですよね。でもそれがわたしのやり方だし生き方なんです。寄付だけして終わっておく方が楽だし、わたしなんか寄付だけ5千万円でもしたほうがよかったのでしょうか?わたしはそういう考え方はとらないですけどね。冒頭で紹介してますが、、よろしければこんな記事もお読みいただくと幸いです。

愛情を上げる、、、時間をあげる

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