株式投資を人に教えるということ(PBRの話の続き)
2022年01月15日
株ブログの中には株式投資を人に教えるという立場をとっている人がいます。先生とか師匠とか呼ばれたりもして。有料無料問わず存在します。本を書く人もいます。誰でも勝てるとか言って。それは教えるのは自由だと思います。ただ教えるという立場に立つ以上は間違ったことを教えないように最新の注意を払うのは基本的なことだし、また自分の発信に対して批判されることもありうるのは当然だと思います。批判と誹謗をごっちゃにする人がいます。気持ちよく教えているのにそれは間違いじゃないかと指摘されると攻撃されたと思う人もいるかもしれません。誹謗は根拠なく人を貶めるのに対して批判は人ではなく主張に対して行われるもので根拠を伴います。株式投資はお金がかかっている話題ですので仲間内のやりとりはともかく開かれた場所で発言する以上はそれなりの心構えがあって当然だと思います。

ただ個人攻撃との境は曖昧になりやすいので、わたしは自分のブログでは何か事情でもない限り名指しで批判はしません。こういう人もいるとします。実際特定の一人でなくわりと気になるくらい多くいます。またたまに直接コメントをすることはやります。日本のブログなどネットでの発信を見ると健全な批判精神は育たずに誹謗中傷の文化ばかりが盛んになっていると思います。匿名が大きく関与していると思います。批判するのは面倒ですが誹謗中傷は簡単にできます。書きちらして知らんぷりもできます。その誹謗中傷はもってのほかですが、その一方で健全な批評家精神が育っていかないといわゆる出鱈目が大手を奮って闊歩して、それによって影響を受ける人たちもでてくる。
特に株についてはむしろ率直な質の高い発信をするブログはあまり注目されないという傾向があります。わたしとか某プロなんかはまだるっこしくて何を言っているかわからないというコメントがきます。もっともわたしは教える気はありませんけど。多くの方は手法を知りたがります。あるいは銘柄とか知りたがります。でもそんなことより人物というか基本的姿勢というか理念というかが重要なんです。技術や手法はその次なんです。でもそれって言っても理解されないし、理屈ばかり突き詰めていくとむしろ大切なものが見えなくなっていく気もします。

ダイヤモンド社のサイトより拝借
先日PBRの話を書いたわけですがもう少し具体的に書いてほしいというリクエストをいただきました。PBRというのは会社の持つ資産額で株式時価総額を割れば算出できることは誰でも知っていると思います。一株あたりの資産額で株価を割っても同じ数字になります。PBRが1よりずっと下なら解散したら株主にお金が返ってくると思っている人がいるようです。またPBRの算出方法も資産総額で計算すれば良いのだろうと、上の貸借対象の左側資産の合計を使えば良いとそうやって嘘を教えている人もいます。でもよく見てください。本当に解散したら借金は返さないといけません。右側にある短期長期の借入金は引かないといけません。それは基礎的な話で、さらに会社の資産と言ったところで企業が存続するから初めて資産として計上されているものがたくさんあります。例えば無形固定資産、これは企業買収とかすると大きくでてきます。企業を買収するということはその会社の営業権とか信用とか実績とかすべてを引き継ぐわけで、起業するのとは意味が違います。それらをのれんとして資産に計上しますが、それはもしも解散したら無価値になります。営業しているからこその資産です。
さらに生産設備とかの装置類も会社が営業しているからこそ資産です。解散したらまず誰も買ってくれません。土地建物だってそんな簡単に売れませんし、それをどう評価しているのかという問題もあります。会社によっては解散したらろくに金が残らないというケースは大いにあるわけです。だからPBRの数字が低いからいざとなれば切り売りして凌げるだろうとか、解散しても株主にお金が返ってくるだろうなんてことは中身を見てから言うべきということになりますし、数字が同じでも中身で全然違う話になるということです。これを同じような話ってPERでもあります。まあ期待があれば別の記事にしてよいかなとは思いますが、まあ知っている人にとっては当たり前の話なんで、自分で勉強してくださいってことですけどね。
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