わたしが子どものころ預けられていた児童養護施設はミッション系でした。わたしが54歳から働いていたさいたまの児童養護施設も同じくミッション系でした。そういうところが多いのかどうかよく知りませんけどある程度はあるんだと思います。ミッション系の施設ですとクリスマスはイブと当日と2日厳かなセレモニーが持たれます。理事長とか園長先生のお話を聞いたり、礼拝をしたり、そして讃美歌を歌わせられたり、はたまたずっと前から練習させられていたキリスト様の劇を演じさせられます。友達と遊びに行くとか部屋で好きなことをするとかテレビを見るとか許されません。ボランティアと称してキリスト教の信者の方が来て職員一緒にいろいろイベントらしいこともやるので、それを見ないといけません。子どもはそんなもの見たくないのですけど、やるほうは子どもが喜んでいると思っています。そういうことでクリスマスとなると児童養護施設の子どもは不機嫌になります。イエス様なんて興味ないし聖書も読みたくもないのです
まあ気持ちよく参加するのはよくわからない小学生までです。中学生高校生になるとみんな嫌で本当は学校の友達と一緒に過ごしたい。でもいろんな支援者も来られるので勝手にさせるわけにはいきません。そこで職員はセレモニーを進めないといけない一方で子どもたちをなだめすかしたり、あるいは脱走しないように目を光らせたりで、神経をすり減らします。児童養護施設の職員にとって一年で一番疲れるのがクリスマスなのです。そのクリスマスのスケジュールも終わり子どもたちも寝静まった夜遅くになっても職員は家に帰ることはできません。園長主催の全職員参加のクリスマスのお祝いに参加しないといけないのです。もちろんどれだけ残っても残業代なんてでません。職員は毎日数時間のオーバータイム勤務をしますが残業代などまともに支払われないのです。それで園長が聖書を読んでお祈りを捧げてそれからクリスマスプレゼントの交換などをする懇親会が持たれます。職員が解放されるのは深夜になります。そういうことで児童養護施設で働く職員もクリスマスが嫌いになりますが、もちろんそんなことおくびにも出さず勤め上げねばいけません。肅然と主イエス様に感謝です。かような修行をありがとうございますと。
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