数字は過去のもの、未来を決めるのは人

2021年12月23日
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株式投資
少し話を広げます。同族経営の会社ってけっこうたくさんあります。同族経営で上手く行っている会社というと、まず思いつくのは世界のトヨタですね。ただ会社は同族経営ぽいけど実際はオーナーじゃないわけです。保有株数なんてわずかでしょう。オーナーじゃないけど豊田家の威光はこれはグループ企業においては絶大だと思います。特にトヨタ本体よりも部品メーカーの方が豊田家の力が強かった印象があります。豊田家の本山はアイシングループじゃないかなってわたしなどは思ってました。トヨタ本体を見てもたぶん現社長の権力は高まってきていると思います。もう自分が選んだ部下ばかりに囲まれているでしょう。逆にオーナーでもないのによくあれだけ統治できるなって感心します。それがトヨタの凄いところなんでしょうね。トヨタは同族経営の良いところだけをうまく使っている気がします。

一方で最近で言うと、大塚家具とかあるいはタカタとか、創業一族が支配してかつ実際にオーナーで、それで会社がおかしくなったというケースはわりと目立ちます。同族経営というのはうまく行っている時はいいでしょうけど、おかしくなるといっぺんにおかしくなって、その時に会社が危機に出くわすとどうにもならなくなる。いくら過去の数字が良くても予測できない。それが同族経営の怖さだと思います。特に自動車は怖い。食とかも怖いと思います。理由は一般大衆の命に関わる産業だからです。ひとたび問題が起きると人命に関わりますからどうしても賠償や保証の問題という危機になるわけです。わたしは自動車業界の人間で自動車業界にしか投資をしてきていませんけど、同族経営とか2代目3代目が社長をやっている会社には投資はしませんでした。避けたというわけじゃないですけど、自動車業界では2代目が大きく会社を伸ばすことはあまりないという印象があります。どうしても軸足が守りになりやすい。そんなポンポン手を広げられない。それくらい自動車に製品を載せるってのは怖いのです。下手すりゃ継いだ会社が吹っ飛ぶ。家具とは違います。それからオーナー企業だと何か問題が起きた時に自動車メーカーからかばってもらえないという不安もある。タカタがその例です。この怖さを投資家もわかっておく必要があると思います。

徳川15代と言ってあれだけの独裁?政治が長く続いた背景には、それこそ同じく世襲の家臣団がいたからだと思います。社長も世襲だけど、専務も部長も課長も世襲のわけです。歴史だったら社長にも負けない家臣団って構図。これは今の民間企業ではそうはいきません。社長が創業家から選ばれても代々専務を務める家柄なんてないわけです。そうなるともしもおかしな人間が会社の舵取りをするようになったら歯止めが効かなくていっぺんにおかしくなる可能性があるわけですから、そこは投資家としてよく人物を見るということだと思います。株主総会にでも行って話している姿とか見た方が良いと思います。できたら質問をしたほうが良い。わたしはボッシュの株主総会は行ってました。実際質問もしました。同族経営じゃないけどやはり経営者によって会社は変わるというか、経営者の器で企業の未来は変わると思います。サラリーマン社長の場合でもああこう人間が偉くなる会社なんだなっていう見方も大事です。投資家で経営数字ばかりの一覧表を作って投資先を決めているって人は多いと思いますけど、あくまでも数字は過去のものです。未来を決めるのは数字じゃなくて人なんですね。
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