韓国で話題の映画スウィングキッズを観て想うこと
2021年08月17日

那須も終日の本降り。温泉でくつろぎながら韓国映画スウィングキッズをアマゾンの百円レンタルで観ました。わたしはこの映画を見ながらずっと昔に見たホワイトナイツという映画を思い出していました。ミハエルバリシニコフとグレコリーハインズのダンスは今でも目に浮かぶ。映画のことは覚えてなくてもテーマソングの名曲Say you Say meは知ってる人多いんじゃないかしら? 話の流れは似た部分もありまったく違う部分も多いのですが、ダンシング ビヨンド イデオロギーというキーメッセージは共通しています。そしてダンサーとは血の通った人間であるという事実。話の意味することを理解できない人でも映像とダンスを楽しむだけで見る価値があると思います。ラストシーンは胸を打ちます。朝鮮戦争の歴史をあまり知らない日本人からするといろんな政治的な要素が詰め込まれていて困惑するけどたぶん韓国人は困惑しない。なぜなら朝鮮戦争そのものが彼らにとって不条理な困惑の現場であったから。このあたりはソウルの戦争記念館に行くと詳しくわかると思います。ソウル観光で明洞や梨泰院だけでなくちょっと時間を割いて寄っていただきたいスポットです。
広島長崎の平和式典は毎年行われているけど、いろんな挨拶が続く中で、原爆の恐ろしさが何度も唱えられる。そして原爆被害者のことを決して忘れませんと続く。わたしは少しその光景に違和感を感じる一人です。韓国人も中国人も日本人は恨んでいるけど零戦は憎まない。一方で日本人は原爆や大空襲は憎むけどそれをやったアメリカ人は憎まない。罪を憎んで人を憎まずと言えば聞こえはいいけど、人との葛藤を乗り越えてその境地に達するわけでもない。日本人はそもそもアメリカ人どころか、誰の責任も問うことなくうやむやに終わらせている国民ではないか? 「繰り返しません、過ちは」記念碑に刻まれた有名なセリフだけど、誰がどんな過ちを犯したのかまったく答えがない。
日本人はわさびの民である。ツーンとくるけどすぐ忘れる。死んだら皆仏だと呑気なもんである。一方韓国は唐辛子の民である。最初はなんともないけどじわじわと効いてカッカが長く続く。日本人は原爆のことも大空襲のこともやられたことをよく覚えてないけど、一方で自分がやったこともよく覚えていない。多くの日本人の率直な中韓の反日感情に対する感想は、古い話にいつまでこだわってんだってとこであろう。これだけ物忘れが良いのは世界でも日本人だけだということは日本人は知っておいた方が良いと思う。厳密に言うと忘れてない人は多いのだけど、それ以上に過去をいつまでも蒸し返すことはみっともないという妙な美意識が働いているような気がわたしはしてます。大切なことを曖昧にして、そしてやけにセレモニックに鎮魂歌を唱える。「私たちは決して忘れません」と。それが何かはあえて誰も持ち出さないのである。ソウルには戦争記念館があって過去のいろんな戦争について一覧で学ぶことができるようになっています。さて日本にはそんな総覧的な施設がどこにあるのでしょうか?特攻隊とか沖縄のローカルな施設が点在するくらい。これだけ戦争に巻き込まれた日本に後世に伝えるべきかようなまとまった施設はない。さもありなんと言うことです。
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