分散投資は誰のため?
2021年04月17日
もしも日本の個人投資家が全員集中投資をしたとしましょう。3銘柄以上は買えないとする。買えるのは厳選したひとつかふたつ。そして損切も禁止します。利益が出ていないと売れない。保有銘柄は2つまでなんでホイホイと買い替えもできない。さてそうなったとしたら、100人中90人も負けるでしょうか?わたしは半分くらいの人が勝つと思います。ただ相当数の人は塩漬けになるでしょう。それでは証券会社は困ります。もっと頻繁に売り買いしてもらわないと儲からない。手数料をたくさん落としてもらうためには、長期間退場しない程度に負けを抑えてたくさん売買させる。そのためには分散投資なんです。
日本でお金の教育を学校でやるべきだなんて、随分とお気楽な主張をする人がいますけど、もしそうなったら、カリキュラムづくりに金融のプロたる銀行とか証券会社に頼まざるを得ない。かれらが本当に個人投資家のためになるカリキュラムを作ると思いますか? 自分たちが儲かるようにしかやりっこない。今彼らがやっていることを見れば簡単な答えです。先生だって業界から派遣されるかもしれない。先生を教えるのは金融機関でしょう。間違いなく分散投資をしなさいって教えます。
ファンドや機関投資家は資金量が大きいので分散投資に必ずなります。そして時間軸的にも期間を絞ることなどできない。その大きな資金量のやっていることと同じことを個人ベースでやらせれば資金の大きいほうが圧倒的に有利です。だから業界は個人を食い物にするために機関投資家と同じこと、つまり分散投資を個人投資家にはやってほしいのです。個人がこぞって集中なんかでやられたら、それこそマーケティングのマイケルポーターやランチェスターの理論通り、弱者が強者に一矢報いる場面が頻出する。そんなことされたら困るから分散投資と教えているんです。物事というのは誰が有利になるか、誰が得をするのか、という視点で見ると黒幕の思惑が伺い知れるとわたしなどはそう考えております。
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