30歳で2000億円を騙し集めた男

2021年02月24日
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株式投資
NHKの衛星放送で豊田商事事件の再検証をするドキュメンタリーをやっていた。印象が強い事件である。豊田商事事件のことを覚えている人はたぶんわたしより年上か同年輩じゃないかと思う。永野一男という人物が個人投資家から2000億円を騙し取った事件だが陰惨な結果を迎えたことでさらに歴史に残ることになった。豊田商事が破綻して逮捕目前というタイミングで多数のマスコミ関係者が取り巻いているその場に日本刀を持った男二人が現れて永野氏をめった刺しにして殺したのである。マスコミはただカメラを回しその様子を撮影した。誰一人止めようとした人間はいなかった。その場にいない人間が軽々しくなぜ助けなっかたのか?カメラでも投げつけるべきだったというのは簡単だが、それはなんとも言えない。誰だって日本刀を持っている人間は怖い。

そこまでいいが、その後のマスコミの言い分は大きくふたつに分かれる。朝日新聞とそれ以外である。わたしは事件翌日貧乏学生ながら全新聞を買い求めて社説を読んだ。朝日新聞以外はマスコミ人としての職務と人間としてすべきことの葛藤を正直に書いているものがほとんどだった。やはり目の前で人が殺されるのを黙って見ていたことに悔恨の情が残ると。ところが朝日新聞の社説は呆れるほど立派なものだった。マスコミの使命は事実を忠実に伝えることであり、事件をただ見守った態度は正しかったと主張したのである。当時朝日新聞がヤマハを叩いてヤマハが大きく業績を落とすということがあった。わたしはマスコミとしての権力を振るう一方で都合の良いときだけ中立の石ころだと言い放つ朝日新聞は二度と読まないと決めた。その後40年近く立つけど一度として朝日新聞は読んでいない。朝日新聞はテレビ欄も天気予報も見ない。

さて本題に戻る。その永野氏だが、刺殺された時には32歳であった。そのときには破綻していたので30歳ほどで数万人から2000億円を騙し取ったわけだが起業したのが25歳の時だからわずか5年ほどでそれだけの金を集めた。手口はゴールドを売るけど、実際金を渡さずに、ゴールドの預り証みたいないものを豊田商事が発行して投資家にわたしに利回りをつける。ただ実際はゴールドは買っていなくて証券だけが一人歩きをした。結局返ってきたのは130億円ほどだったそうである。1900億円はどこかに消えてしまった。

永野氏は中卒でトヨタ系の部品メーカーで働く。たぶん製造だろうけど給料が安いのに失望して商品先物の会社に就職する、そして25歳で豊田商事を起業する。たぶんもっともらしいという理由でつけた名前なんだろうけど、その豊田商事に数万人が群がり2000億円も投資をする。なぜそんなことが可能だったのか、まさに世が狂乱のバブルに向かっていた時期だったからだろう。個人投資家は投資すれば儲かるものだと思い込んでいた時代なんである。ただその後似たような事件は後を立たない。金の代わりに牛とかいう事件もあった。なぜ個人投資家はこうも簡単に騙されるのか? 

これには大きな裾野があるとわたしは思う。実際には騙されないけど騙される人間と同じ意識を多くの人間が共有しているのである。だから同じような事件が次から次へと起こる。騙された人間は特別な人間ではなく普通の人たちなんである。わたしはそこに学校教育の影響がありやしないかと考えている。それだけ多くの国民に刷り込みされたとしか思えないからである。それはまず先生の言うとおりにして先生が教えてくれることをやっていれば間違いないという思い込みを子どもに植え付けることである。先生でなく大人でもいいかもしれない。やたら権威に弱いので立派そうな仮面に簡単に騙される。さらにそこから派生してお上とかを盲目的に信じる傾向もある。偉い人がちゃんとやってくれているから任せておけば良いという意識である。

これが誰かが自分を儲けさせてくれると安易に期待する心情の根底にありやしないかとわたしには思えてならない。株ブログを見ていてもそんな人がやたら多い。傑作なのは有料でいくらか払うのが当たり前だと思う人がけっこういること。無料の情報じゃ儲かるわけない。それはいいけど1000円2000円でいくら儲けられると思っているのだろう? 有料こそ危ないとわたしは思う。だって金が目的でやっているんだから。なんにせよ豊田商事事件は世の狂乱がベースにあったわけで、もし今の株価がバブルなら株の世界でもまたとんでもない事件が起きるかもしれない。まさかという人物が騙す。騙す人はみんな良い人を装います。自分こそ正しい自分こそ親切とさかんに唱える。そういう発信てネットで多くないですか?ひょっとしてどこかに未来の大物が隠れているかもしれない。だって永野氏は数年で2000億円なんだから。



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ハルトモ
Posted by ハルトモ
自由人ハルトモ。那須とさいたまを毎週往復するリゾート&リタイアライフ、そして旅、投資ネタもありのブログです。
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トール  

狂乱

狂乱の顛末は恐ろしい事件があったのですね。メディアがこの狂乱を煽った時代の背景を考えると、今はずいぶん違いますね。
電通は巨額赤字だそうで。

2021/02/24 (Wed) 18:44

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