企業の将来性を技術から判断する

2021年02月22日
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株式投資
スクリーンショット 2021-02-22 4.37.07
これは初期型のボッシュ製のディーゼル噴射システムコモンレール
(ボッシュHPより)
わたしが乗っているボルボにはデンソーのコモンレールが使われてます

企業の将来性をどうやって知るか?投資家のほとんどの方はご興味がある話題でしょう。これはある切り口のお話。わたしは自動車部品業界(加えて自動車メーカー)専門で株式投資をしてきたわけですが、わたしの場合は技術を見ることで数年単位の企業の将来性の判断をしていました。もちろん経営者の人物など諸々の情報を総合的に判断しますが技術の比重が大きい。技術で判断する理由は特許情報や学会発表などでその技術の確からしさを外部から把握しやすいということ。さらに法規制や社会的な機運などで技術の社会における必要度も確認できます。さらに技術は真似すれば良いというものじゃないので企業の根幹の競争力の判断になる。技術の差は簡単には追いつけないし追い抜こうとするならやはり特許等を出すので外部からの把握が可能となる。技術がしっかりとしている会社は簡単にはおかしくならない。技術は絵に描いた餅ではありませんし、ましてや株式投資ですから業績に反映されてこその投資です。そう言う意味ではどんなに遠くても5−7年先を見据えることになります。企業活動もそれくらいが長期計画の時間軸です。20年先なるとどんな技術か出てくるかわかりません。企業は開発もしてないし特許も出ていないのですから。

例えばわたしが投資したボッシュの場合はディーゼルエンジン用の燃料噴射技術のコモンレールという技術。各国の排ガス規制にミートするクリーンディーゼルがコモンレールで可能になった。それまでは噴射は言うなら電子式でく機械式だったのです。ガソリンでキャブレターから電子噴射に変わったのと同じで大きな技術革新がディーゼルで起きた。そのキープレーヤーがボッシュとデンソー です。ボッシュは当時の燃費技術の目玉と言えたCVTというトランスミッションで使われるベルトにも高い技術を持っていた。さらに滑り止め防止などの安全技術(VSC)と呼ばれる車体制御にも高い技術を持っていた。もうこの三つで鉄板だとわたしは確信したわけです。当時の自動車業界の将来性のキーワードは、安全技術、燃費改善技術、そして環境技術。そのすべてにボッシュは絡んでいたわけです。

日信工業の場合は車体制御技術、太平洋工業の場合はタイヤ空気圧センサー、やはり技術を見て投資しましたし、トヨタの投資については、当時アメリカでスキャンダルになったブレーキ不良の問題をどう見るかの判断。これは今でもトヨタが隠蔽しているという謀略を想像する人がいます。これも技術という側面から見ることで事態をクリアに見ることができるわけです。技術のことなどろくにわかっていないアメリカ議会の追及など多くの技術者は笑ってみていたのです。技術面から見れば騒動は鎮静化して株価も持ち直すなど当然のことだったわけです。

わたしはもう業界を離れて8年ですからもう自動車技術のことは詳しくわかりません。わたしが業界にいた時は燃料電池の開発とか自動運転の開発とかも初期段階というレベルでした。今はだいぶ変わっていると思います。当時は水素じゃなくてメタノール改質なんかもやってました。そういうことでわたしはブログで多少の知識は披露しても自信を持って自動車技術に株式投資できるレベルにはありません。ただ今話題になってうる15年とか先の水素関連技術については今度どうなるかは誰もわからないとは言えることは知っています。思いもよらぬ技術が出てくるかもしれません。技術開発はこれからです。ちなみに昨年わたしが買った二銘柄は自動車業界ではありません。自動車業界ですよねと読者から質問もきたことがあったのでお答えしておきます。


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