業界のプロが読む情報の値段

2021年02月16日
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株式投資

わたしが自動車業界で働いていた時に市場調査会社の出版する調査資料というのは定期的に購入していました。例えば電気自動車の技術動向がどうとか、電池を開発している会社の動向がどうとか、どの会社がどんな技術を持っているかとか、燃料電池なら燃料電池で一冊の本になってるんですけど、だいたい一冊10万円から20万円でした。全部買うと100冊とかになっちゃうので選んで買うわけですが、それでも中身は真に受けられないで自分たちが市場から集めた情報と照合していました。

それから市場調査会社と年間契約とかも結んでました。一年間で数万ドルくらいの契約料金だったと思います。わたしは会社でセールスとマーケティングのトップでしたから別に株式投資のために読んでいたわけじゃなくて仕事で読んでいたんですけど、当然株式投資の参考にはなってしまうわけです。もし投資家がわたしと同じ情報量を得ようとしたら、自動車業界だけで、毎年百万円は最低払わないといけない。でもこれって金さえ払えば買えるものですから、別にインサイダー情報でもなんでもないです。調査会社だって合法的に情報収集しているわけです。

機関投資家もたぶんこういう資料は買っていたと思います。だって調査会社が売り込みに行きますから。だからひとつの業界だけで年間100万円くらいは払っていると想像できます。脱炭素だってことで自動車業界がけっこう注目されてますけど、いくら勉強したとか本を読んだとか言っても個人で百万円単位で情報料を払う人なんているわけない。それも毎年ですよ。もちろん情報さえ読めば勝てるとか儲かるってわけじゃないけど、もし個人が本でも買って勉強してせいぜい数千円か数万円払って業界のことがわかった気になるとしたら、それは大間違いで、プロは個人の100倍とか1000倍のコストを情報に払っているってことは知っといたほうが良いと思います。もちろん読むための能力も要りますから、ほとんどの個人投資家にとっては猫に小判ってことになるんですけど、そういう世界だってことです。ちなみに安くかなりの情報を入手する方法もあります。このブログに書いてあります。やった人聞いたことないですけど。
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