投資は知ったかぶりの人間に騙されない賢さが必要
2021年02月02日
なんとまた別の読者さんから質問が来ました。ランチェスター理論で投資をするということはどういうことと思われますか?さらにその強みはどれだけあるんでしょう?という質問です。それはそういうことを言うご本人に聞かれたらいいのでしょうが、わたしが言えることは、ランチェスター戦略については、投資家という意味ではわたしが前に書いた記事くらいの内容だけわかっていれば十分だと思います。そもそもマーケティング理論というのは、大昔から賢い商売人とか経営者なら実践していたことを体系づけたものです。つまり理論という形で発表される前からやっている人はやっていたことです。大山倍達が大人数に取り囲まれて乱闘になった時に路地に逃げ込んだ。窮地だと思われたが路地は狭いので一人二人しか同時に攻撃できない。大山倍達は順番に全員倒したという逸話を大昔に漫画で読んだ記憶がありますが、あれはランチャスターですね。三国志で相手の数が多ければ待ち伏せ、不意打ちなど駆使して相手を分断して局地的に優位に立ち各個撃破する。これもランチェスターですが三国志ですから何千年も前からやられていることです。
ということでビジネスにおける戦いの手法がランチャスターということですが、それだけを取り出して無敵だとか最強だとかいうことはありえません。なぜなら相手だってランチャスターのことくらい知っているからです。ランチャスター同士が戦う場面だってあるでしょう。どっちが勝つんですか? ランチャスターじゃ決まらないわけです。ランチェスターでやろうとしたら相手もそれを予測して待っているかもしれません。逆に裏をかかれるかもしれません。ランチェスターなんてマーケティグの基礎ですから、知っていて当たり前のことなのです。そのお互いによく知られていて誰でも使える手法そのものが無敵とか最強であるはずがないのです。
ちなみに欧米企業のマーケティングの現場ではランチェスターはほとんど知られていません。アメリカではマーケティング理論は経営大学院で学びます。いわゆるMBAというものです。そこの受講コースレベルの教育を受けてきましたが、ランチェスターはMBAのコースで見た記憶がないし、MBAを持つ欧米人の同僚(ほとんど持っている)からランチェスターという言葉を聞いたこともないです。ただ似たようなものはいくらでもあります。セグメンテーションとかマーケットポジショニングとか、リソースアサインメントとか、ディファレンシエーションとか、結局商売の基本はどこの国でも変わらないのです。そして商売で一番大切なことは、マーケティング手法なんかではなく、お客様が喜んでくれる製品やサービスを適正な価格で市場に提供するという商売の基本をより高いレベルで実現した企業が結局は勝つのです。マーケティング手法だけで勝者が決まることなどないのです。
ここまで書いたことはわたしがマーケティングに詳しいからわかったことじゃないと思います。ランチャスター戦略というものの本質を捉えていればわかることです。投資ではいろんな情報が入ってきます。詳しそうに語る人がいるとつい信じてしまいがちですが、物事の本質というのを捉えていれば、あれおかしいなって気付けるものなのです。そういうことでタイトルの記事を書こうと思ったけど、もう長くなったのでここで止めておきます。ランチェスターについて語っている人が知ったかぶりだなんて言いません。よく読んでないし、ましてやランチャスターマーケティグ理論じゃなくて、ランチャスター投資理論なんてわたしは知りませんので。おいハルトモお前も知ったかぶりじゃないのか?なんて言う人はいますか? じゃあできるもんなら見破ってみてくださいよ。15年見破られたことないです。わたしは自分が詳しいこととか反論されそうもないことだけ偉そうに語るんです。
- 関連記事
-
-
元勝負師である 2017/03/30
-
学歴とサラリーマン人生の成功との相関 2023/07/12
-
決着を積み重ねるということ 2019/10/26
-
私流の桜を撮るコツ 2021/03/28
-
金融増税はずっと前から予測されていたこと 2022/05/10
-