旬のEV絡み銘柄だからと人に勧めるブロガー

2021年01月28日
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株式投資
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まだ家に転がっていました
わたしはかつて、大手半導体メーカーで
自動車向けセンサー事業部の営業とマーケティングの責任者をしていました
(なんのセンサーかは伏せておきます)
こんな製品の中にセンシングエレメントと半導体の信号処理部があって
検知して信号を車のECUに出力するわけです
複雑な製品ですがきっと単価を聞いたら
そんな値段でできるのか(安い)と一般の人は驚くでしょう
ただ100万個とか売れるのでビジネスになるわけです

ある企業のある製品がEV用に開発されましたあるいは使われます、今後有望だと思いますよと株を買うように人に勧めるブロガーさんがけっこうおられます。読むとまるでその会社がその製品で売上を伸ばして利益を上げるかのように聞こえます。でもその製品の単価がいくらでどれだけの出荷がどの客先に見込めていったいどれくらい儲かるのか? その会社の売上構成からしてどれだけ売上と利益に貢献するものか?あなた知っていて人に勧めてんですか?と言いたくなるようなケースが散見されます。いろんな会社がEV用にいろんな製品を開発しましたとか公表するわけです。宣伝のためです。でも実際自動車メーカに採用されるのは新規取引であれば並大抵のハードルではありません。開発したと発表したものの採用されないことが多い業界なんです。それに大きく業績に貢献するとは言い難い製品も多い。それ見て四季報とか雑誌がこんな材料がとか書くのでしょうか? それを読んでブロガーが撒き散らす、ド素人が読んで真に受けるという流れですか?

当たり前ですけど自動車というのはそれはたくさんの部品を使うわけです。EVはかなり減りますけど、それで1万点くらいの部品は使うでしょう。じゃあそれを供給する会社がみんな有望なんですか?別に珍しくないパーツだって多いんです。それとよく考えてください。EVが普及していくことによって失われる市場もあるのです。今の自動車は4万点くらい部品を使っています。それが1万になったら?会社としていくらEV関連の売上が伸びたって減っていく方が大きければ会社の売上と利益は減るわけです。つまり既存製品のことまで考えないと、その会社が有望かどうかなんて言えるわけがない。電気自動車の単価はかなり下がると言われています。それは自動車部品業界の市場縮小を意味します。更に海外から安いEVが流れ込んできたら日本の自動車部品メーカーはどうなります?当たり前ですが日本の自動車部品業界の未来は全体としてかなり厳しいですよ。

結局何もわかっちゃいないけど、キーワードとしてはEVは旬だから、書けばアクセスも上がるとか有料でやっているなら購読を増えるかもしれないと、わたしに言わせると適当に書き散らしているわけです。ド素人はそんな記事でも感心して読むわけです。それでまあ株価はいろいろ動きます。なんか適当に上がったところで予測的中ですなんて言えばいいだけのことです。別にそういう投資家でもいいんですが、そうであればそうだと言えばいいのに、まるであたかもよく会社を調べて自分は将来を見据えているんだと言わんばかりだから、ド素人を騙しているとしか見えないわけです。結局書けば書くほど化けの皮が剥がれる株ブロガーという構図があって、長続きするブログが少ない理由だとわたしは思います。
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