自動車・自動車部品業界に投資するなら理解しておかねばいけないことーロジスティクスと在庫調整
2020年08月30日
自動車部品業界で長年働いた元専門家としてコロナショックー怖い怖い在庫調整という記事を3月に書いています。もちろん株価の戻りと業績の戻りは一致するわけではありませんが、リーマンショックの時には自動車部品業界の業績の戻りは非常に時間がかかりました。結果業界のことをよく知らない投資家にとっては驚きと失望の決算が並ぶことになりました。理由は自動車業界固有のロジスティクスと船上在庫にあります。リーマンショックの時にも同じことが起きたのに今回も同じ過ちを起こす個人投資家はたくさんいると思います。車が売れだせばすぐに業績も戻るだろうという安易な見込みです。さらに自動車メーカーが戻れば部品メーカーも同じように戻るだろうという思い込みです。それは業績を見誤るという意味で株価はまた別の話ですが、少なくとも決算を見て驚かないようにしておくことです。


株価についてお話しするならリーマンショックの前はこのチャートに乗っていませんが、現在の株価水準に近いくらいだったのです。それがトヨタ、デンソーと言えど奈落の底に落ちて、そして株価がよくやく回復を始めたのは2013年です。リーマンショックの何年後ですか? まあ状況は同じではありません。当時もいろいろあった。もちろん今回もいろいろな要素が絡んでいます。今回はどれほどかかると思われますか?半年?今のトヨタの株はコロナの影響軽微です。日銀が買っているおかげでしょうか? それとも黒字を維持したから? わたしは今回のトヨタの決算は個人的に疑っています。あれくらいの会社になると、決算の処理の変更などで大きく演出をすることができます。日本丸としてトヨタは今回無理して黒字を維持した可能性があるとわたしは思っています。
ちなみにこういう決算演出が得意だったのはカルロスゴーンです。わざと数千億円の赤字を出して、翌年V字回復で茗経営者と称賛される。もしトヨタが無理をしているならその分後年につけがまわるかもしれません。ちなみにリーマンショックの時はトヨタは大きな赤字をだしました。今の社長が就任して間も無くで責任を問われないという雰囲気の中で大きく赤字を出した。そして鮮やかな復活。さすがプリンスと賞賛の嵐。そんなこと覚えている個人投資家さんてどれほどいますか?わたしはもはや現役の専門家ではありません。8年前に退職して児童養護施設に行きました。このあたりを説明できる専門家は、ファンドや新聞社にはいません。トヨタとかデンソーの経営企画室長以上くらいでないとわかっていないと思います。ただ個人投資家は少なくともこの15年の株価の動きと業績は記録に残っているわけですから、そこを忘れてはいけないでしょう。
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