初めての道
トンネルの向こうに何があるか
ほんの数秒後がわからない
例えば、何歳までにいくら資産を築きたい。毎年20%の利回りで複利で運用していけば、10年後15年後にはいくらの資産になります。こういう計算をしてできるような気になっている人がわりといます。わたしのそばにもいました。でもそういう人たちが今何しているかというと、ある人はもう投資どころじゃなかったりする。本人に聞くと、いやあ、仕事が忙しくなってそれどころじゃなくなったとか、親の介護で手一杯でそっちまで気が回らないとか。なんと毎年決まった利回りで運用するどころか、投資さえやっていない。実際病気になっちゃう人もいたり、離婚したりとか、人生いろいろです。
つまり人間なんてのは10年後15年後何をしているのか、何を考えているのか、わかりやしないってことです。会社にいたって5年後の課長になって10年後に次長になって15年後部長だなんて目論んだってその通り行く人なんてなかなかいないわけです。それなのに利回りばかり勝手に数字を踊らせたって10年15年続けるほうが無理ってもんです。
前にも買いたけど利回りというのは資金が小さいうちは高く設定して、資金が増えるに従って低くしていくもんなんです。資金が増えるに従って利回りの必要度も難易度も変わるからです。同じ利回りで長年やるってのは計画からしておかしいのだけど、やったことないからわからないのでしょう。
それに加えて、世の中そんな計画通りに回らない。だから15年後に2000万円欲しいなら、7年後に3000万円作るくらいの気持ちで頑張って、それでなかなかうまくいかずに、それでも15年後になんとか2000万円になりましたって、それでまあまあって成績のわけです。15年後に2000万円あればいいやなんてのりでやっていたら15年後に2000万円になんか、ならないと思いますよ。まあできると思うならやればいいんですけどね。わたしは見たことないけど。
ちょっと前にNPVの話を書きましたけど、NPVの算出をするときに、ディスカウントレートというものを使います。日本語で言うと割引率なんですけど、わたしがいた会社では割引率は12%に設定していました。今1000万円あるプロジェクトに投資をするとする。来年の1000万円は880万円の価値しかないという計算をするんです。翌年にはまた12%目減りする。
なんでそんな計算をするかと言うと、投資のような不確かなものにお金を投じる以上それくらいのリターンが期待できないとやる意味がないってことです。それで実際やってうまくいかないものが多いのです。完全に失敗することもある。だから会社としては12%で設定しておいて、うまくいくもの、いかないもの、いろいろあってなんとか会社は回っていくなという計算なんです。つまり予定通りに行かないって前提なんです。
よく複利の力とか言う人がいるわけです。なんだか計算だけは立派なわけです。でも複利ってことは、ざっくりと言えばルーレットの数字盤の上に金を置き続けて、勝ち続けるって計算なんです。一回こけたら全然違う話になっちゃう。複利だっていいですよ、でも複利で計算するなら例えば3回か4回に一回負けるって計算でやってみてください。それが現実的。そんな立派な複利の力なんて出てこないでしょ。
多くの投資の成功者いかに勝ちを実現利益として、株とは別の形に変えるかに腐心するんです。そうやって勝ちを積み上げて最後絶対に負けはないというレベルに持っていって、そして勝ち逃げで終わる。複利でばんばか回すなんて、わたしは怖くてできませんね。勝負はその時その時の判断です。わたしがこういうことを言うと反論する人はいくらでもいるんですけど、反証する人がいない。反論はいいから反証を見たいですね。まあ見たら凄いですねって言うだけですけど。笑 ではまた。
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