アメリカの個人投資家は儲かっているのか?
2020年07月26日

私自身がアメリカの有名企業に長く勤務していて、米国の同僚ともずいぶんと食事をしたり雑談もしたわけで、当然投資が話題に登ることもあったけど、株式投資は儲かるものだとアメリカ人が思っているみたいな威勢のよい話を聞いた記憶はない。アメリカ人だって株式投資は危険なものだと思っていると感じていた。その意味で話していてそんな違和感を感じなかった。
確かに日本株よりアメリカ株の方が市場全体として成長性は高いとは思う。上のグラフを見てS&P500は10%の成長率を示している。でもその一方で、平均的な個人投資家がどれだけ資産を増やしているかと言うと、その4分の一の2.5%しかないという数字などがネットをさぐるとすぐ出てくる。
例えば100億円の個人投資家のお金があったとして、それに対して102,5億円のリターンしかないのであれば、大口の個人投資家や凄腕投資家が儲けを取ってしまい、いわゆる一般投資家は利益がないという状態だと容易に想像できる。これは日本だっって同じで、indexほどには個人投資家は儲かっていないと聞く。
そもそもアメリカではいったいどれほどの個人投資家が儲けているのか?

U.S. individual investors performance とかで検索すると こういう記事がわりと簡単にひっかかる。

これも同じく90%の投資家は儲かっていないみたいな日本と同じ話題。
日本の株ブログでアメリカ株に投資すれば誰でも儲かるみたいなことを言っている人はけっこう目につくけど、彼らはどれだけアメリカの個人投資家の事情に明るいのだろうか? 在米経験が長いとか英語がどれだけ堪能かわからないけど、そのあたりをわかりやすく説明しているものをわたしは見ない。
ただアメリカの方が個人投資家にチャンスはあるというのはわたしも思っている。実際市場の伸びは大きい。だが日本から遠く離れたアメリカなり他国に投資すれば、差別化されたプレーヤーになるのは難しい。わたしの場合、市場の伸びがない日本で差別化されたプレーヤーとしてやっていくか、伸びる市場で凡庸なプレーヤーとしてやっていくか? になる。ほとんどのアメリカ人個人投資家は儲かっていると言うなら、それは出張って良いと思うけど、でもそんな様子がわたしには見えないんだよね。勉強不足かしら?
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