偽装隠蔽の話の続き
2020年06月27日

山形からさくらんぼが届いた
このさくらんぼは偽装ではない
先日お隣からメロンを頂戴したので早速半返しだ

我が家はこれを重宝しています

お酢と醤油の定番のタレもいいけど
むしろ柚子胡椒とポン酢でいただく
さっぱりとしてたくさん食べられます
(たくさん食べられて良いかどうかわかりませんが)
この餃子にも偽装はない

マロは我が家至上のインテリアだ
もちろん偽装などあり得ない
さて、話の続きだ。品質保証部の担当者によると、我社のセンサーが納品されるとまずABC識別のためのバーコードタグがあるのだが、それが外されてゴミ箱に捨てられるいうのである。なんと苦労して測定してタグまで取り付けたのに使われていない。それで一体どうやってシステムを成立させているのだろう? 量産に向けてのあの詳細な打ち合わせはなんだったんだろう? これは不思議と言うより少し心配になる。上司に相談すると、あの会社ならやりかねないと言う。だがお客さんが自分でやっていることを外部者がとやかくは言えない。変だなとは思うけど。そのままにしておけ、という指示であった。
品質保証の担当者は使っていないなら止めてコスト削減をしたほうが良いのにと言われたが、そのまま図面通り納品を続けると伝えた。と同時に今後の採用展開を慎重に見定めて、余計な設備投資などをしないように絞った。そんな製品では問題を起こしていつ採用中止になるかわからない。案の定であった。その新システムはわずか1車種で採用展開見送りになった。なにか問題があったのであろう。普通はそんなことはないのである。エンジンの基幹システムは幅広く車種展開されるべきものである。その会社は当時リコールを連発していたが、なるほどリコールもでるはずだと妙に納得したのを覚えている。もちろん投資家としては、そんな会社には近寄らない。
また逆の話もある。これはこのブログでも何度か触れているので詳しくは書かないが、トヨタは事故のの原因を隠蔽しているというスキャンダルである。それがリーマンショックと重なった。わたしはそのおかげで大儲けした。濡れぎぬだとわかっていたからである。豊田家の御曹司が社長に就任してまだ日が浅かった。その社長が隠蔽などするわけがない。彼は先祖に恥じない仕事をしたいと毎日位牌を拝んでいるはずだ。一時よければと隠蔽などしたら先祖様に顔向けできない。
またオーナー企業はオーナーさえ悪いことをしなければ家来が勝手にやることはほとんどない。オーナー企業のスキャンダルはだいたい会社の私物化だが、トヨタは私物化できない。そういうオーナー企業の体質を押さえていれば、これはたぶん濡れ衣だと推測できたはずだが、一般投資家はトヨタと三菱自動車の違いがわからなかった。トヨタは創業以来個人消費者だけを見続けて来た会社。一方の三菱自動車は、三菱重工である。親方日の丸なんである。企業体質はまったく違う。
わたしが勤務して会社でも偽装スキャンダルが起きかけたことがあった。お客様との約束と違う仕様のものをダマテンで納品しようとしたのだ。やってはいけないことである。だが捨てると数千万円の損失が発生する。社長が不良在庫は避けたいからなんとかならないかと、強く品質保証部長にプレッシャーをかけて、品質保証部長が忖度をした。約束とは違うけどまあバレないだろうという判断である。わたしはその事実を品質保証部の担当者から相談を受けて知った。担当者はそんなことして怖いと言うけど、一方社長も怖い。それでハルトモさんなら、自分が告げ口したことを隠してなんとかしてくるのではないかと相談してきたのである。まかせておけ、わたしは社長と戦う決意をした。
この顛末はさらに長くなるので要約する。以前書いた記憶があるので興味ある人は探された良いと思う。わたしの勝負は簡単である。社長室に乗り込んで社長を恫喝したのである。もし強行したら、お客に知らせて自分は退職すると脅した。もちろんお客に知られたらこれは出入り禁止ものである。だいたい納品できない。結局社長はわたしの覚悟に屈して、出荷を取りやめ数千万円の損金処理を行った。
この結果何が起きたかというと、わたしと社長との関係は決定的に悪化した。次期社長の最有力候補だったわたしは事あるごとに社長から追い落としを仕掛けられるようになった。そこは乗り切ったが、わたしは社長への道を閉ざされた。もちろんわかってやったことだから後悔はなかった。むしろ社長に迎合するほうが後悔すると思った。こうやって書いていてもあのとき屈せずに戦って本当に良かったと思う。
その後そういう危ないケースは起きなかった。あのとき押さえてなければ、癖になりかねない瀬戸際だったと思う。まあ我ながら良いことをして会社を救ったと思うけど、それは誰からもなんの評価にもならず損をしたばかり。だが大切なものが残った。自分の矜持と納得である。それさえあれば胸を張って生きていける。今もそうであるように。
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