キルクールの定理とカウゲラークの法則

2020年03月28日
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株式投資
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ライトが小さすぎると大きいのを買った
今度は大きすぎる!
買う前に寸法を見ているはずなのに
買ってみて初めて大きすぎるとわかる
世の中こんなノリで株式投資をする人間もいるんだろうか?
それじゃ勝てないな
楽しいのかもしれないけど

40年以上のつきあいになる、くーちゃんは中学校の校長先生を定年退職して、再就職の声がかりを全て断りタクシーの運転手になった。面倒見がよくて人当たりのよいくーちゃんはずっと前からタクシーの運転手に憧れていたそうだ。今はとても楽しくやっている様子である。なにも遊んで暮らさなくても良いけど、仕事でも楽しく暮らしている人は目が輝いている。そう考えると毎日株を見ている人間は目が輝くでしょうか? みなさんは毎日株価が気になってなんて人が幸せそうに思いますか? 幸せそうに見えないって思うなら自分でやらないほうがいいんでしょうね。もちろん幸せそうだって思うなら勝手ですけど。

でも勘違いしてはいけないのは、楽しいと幸せはイメージとして近いけど間違える人も多いってこと。本人は楽しいと言っていても、傍目から見て幸せそうに見えないってことがよくあるわけです。相場は楽しいから止められない。それも勝手なんですけど、それで幸せかってのは自問に値するとわたしは思います。

もう15年も前にわたしの幸福論という記事を書きました。今でも考えは変わらないです。自分で幸せと思い込んでいても傍目から幸せそうに見えないならそこは考える余地があるということです。自分が知らないまだ見ぬ幸せもあるかもしれないという、言うなら謙虚な幸福論です。自分で固定して断定しないことです。

余談がなくなりましたが、そのくーちゃんが麻雀が大好きでよく一緒にやったんだけど、そのくーちゃんのお決まりのセリフがキルクールの定理と言って、なんてことはない、切ると来る、ってだけのこと。配牌から一枚あるオタ風の北を切った。そしたら、次のツモが北、その時どんな気持ちになります? 多くの人は、ああやっぱりなって思うんです。これがキルクールの定理。やっぱりなって思うなら切らなきゃいい。そんで北は切らないぞと代わりに中を切ると、今度は次のツモが中、キルクールの定理からは逃れられない。

株をやりますと、今度はカウゲラークの法則というのがあります。もうわかりましたよね。買うと下落するからカウゲラークです。なんで棒線入れるんだ?と言えば、それはくーちゃんがキルクルの定理と言わずにキルクールと棒線一本入れたんで言うなら彼に対するリスペクトです。

これは株を長くやっている負け慣れしたベテランがカウゲラークの法則にはまります。一度ハマったらだいたい逃れられない。自分が買うと必ず下がるって気がする。そんで下がると、やっぱりなって思う。キルクールとおんなじです。じゃあと違う時に違う銘柄でやっても同じ、ああやっぱりとなる。カウゲラークの法則からは逃れられないんです。

株の初心者は最初カウゲラークの法則は当てはまりません。買って下落すると、おかしいなって思うんです。カウゲラークの法則なんて知りませんから。それでベテランに相談する。いやあ、わたしが買うと下がるんです。なんでだろう? そうするとベテランが胸を張ってそんなの当たり前だろうと返す。もうベテランにはカウゲラークの法則が体の髄まで染み込んでいるわけです。

これはですね。般若心経の世界なんです。色即是空、空即是色。カウゲラークの法則は自分自身の心のうちにあるものだということです。だからカウゲラークの法則から逃れられない。だって自分でそう決めてるからです。ちなみにわたしはカウゲラークの法則は当てはまりません。買ってすぐに下がることもあるし上がることもあるだろうと思ってます。どちらかと言うと上がるとやっぱりなって思うかもしれません。笑

株は成功体験の効用というものがあまり語られません。人生だったら負け組や大してうまくも行っていない人間の言うことなんか聞かないのに、株だと人の失敗談を聞きたがる人が多い。自分も同じような失敗をしたくないからだって思うかもしれませんが、それは間違いです。人の失敗を聞けば聞くほど、自分も似たような失敗をするようになります。(たぶん)右に打ちたくないと思えば思うほどボールが右に行くゴルフと同じです。いずれにせよ、ある特殊な実例を除けば他人の失敗談なんて役に立ちません。この人も同じように悩んだんだって親近感を感じたり、あるいは自分の悩みを軽減する意味はきっとあるんでしょうけど、そういう心持ちの人は相場なんてやらないほうがいいってわたしは思いますけどね。

まあそういうことで不用不急の外出自粛の中、今日も楽しくお読みいただけたでしょうか? 
実はとても古い記事にいいねとか拍手をいただくことがあって、これでこんな記事を自分で書いていた。
天井の捉え方
ちなみに伊豆屋は沼津にある天丼の有名店です。
ハルトモ君は愉快だね。自分で書いて自分で笑ってりゃこれが笑いの自給自足ですな。

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Comments 2

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orach4141  

こんにちは

キルクールの定理とカウゲラークの法則、どんな法則なのか?と読む前は電磁気の法則かなと思いました。拝見すると株と人生論ときずきました。
いま、$円の5分足チャートに、ZIGZAG(自動的に高値、安値を表示するインジケーター)を見ています。安くなったら買いたいと思っているとカウゲラークの法則が当てはまるんです。安値が切りあがって前の高値を更新しないと三角持ち合いになって再度、下落。戻りが80Pipsもあると、わァ、上だ!早とちりをします。三角持ち合いがカウゲラークの法則の分岐点になっている、意識していきたいです。
ツボに入ったのは「笑いの自給自足」です。なんとも言えない含蓄があります。豊かです。
いつも楽しい投稿ありがとうございます。

2020/03/29 (Sun) 10:51

ハルトモ  

To orach4141さん

いつもご笑読ありがとうございます。楽しくお読みいただければなによりです。

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