相場の神様
2019年10月27日
男はいつでも相場のことを考えていた。長いこといろいろやっているがうまくいかない。今日も考えていた。どうすれば勝てるようになるんだろう?相場で成功する道筋はどこにあるだろう? うまく儲けている連中はいったい俺と何が違うのだ? そんなことを考えていながら、値動きを見る画面の前ですこしまどろんだようである。さすがに最近寝不足だ。
それで画面を再度凝視すると、、見たこともない男が画面に映っている。うむ? こいつ誰だ? ユーチューバーか? そういえば相場のユーチューバーを立ち上げてみていたタスクが残っていたのかもしれない。タスクを切ろうとクリックしようとした瞬間に男が喋った。
「わたしは相場の神様である。」みるとパソコンのカメラが起動している。どうやら向こうにも自分が見えているようである。それにしても自分で様をつける神様なんておるんかな? ハッカーだろうと思いながら男は聞いた。
「その神様がなにしにここにこられたんですか?」
「わしは相場がうまく行かずに悩んでいる人間を助けるためにこうやって回っておるのだ。最近はネットが便利で回るのも楽だ。お前は相場でかなり悩んでいるようだな。そこでだ、お前の質問に一回だけ答えてやろう。だが値動きは教えられん。教えたらヘブンサイダー取引で神様の役職を追われてしまうからな。お前自身に関するものであれば答えてやろう。」
そんなもんかいな? それで男は少し考えた。それで聞いてみようという気になった。こうやって不思議なかたちで出てくる以上は神か悪魔かなんかって可能性は高い。
「では教えてください。わたしは相場で勝てるようになりたいのです。そのためにはわたしに何が欠けているのかそれを教えてください。勝ち組にはあってそして今のわたしに足りないものは何ですか?」
「それが質問か?」
「はい、そうです。」
「では答えてやろう。。。お前に欠けているものは、、、
、、、
、、、
何もない。」
「え? じゃあなんでこんなにうまくいかないのですか? 勝ち組とわたしと何が違うの?」
「言っただろう。 質問に答えるのは一回だけだと。」
「それはあんまりひどいじゃないですか?助けるために出てきたとか言いながらなんにもならないじゃないですか?」
「そうかな? 足りないものがないとわかっただけで大きな進歩じゃないのかね?」
そう言うと、その自称神様は画面から忽然と消えた。
でも意地が悪いな、カメラでまだ男を見ている。
男はしばらくの間じっと考えていた。
そして叫んだ。
「神様、もう一度だけ質問を!」
カメラが切れた。
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