どういうのを差別化と呼ぶか
2019年08月14日
よく会社を調べましょうとか言うでしょ。そうすると会社の決算書とかまたは四季報なんか目を皿のようにしてそれで十分調べたって気になるおバカな個人投資家がまことに多いわけだ。だって出版されてるものは誰でも読めるもんでしょ。つまり自分がどれだけ勉強したかじゃないのね。他人と自分が何が違うかですよ。
わたしは投資対象の業界の会社の提出した特許出願を取り寄せて英文のまま読んでいた。特許が未来の技術動向を左右する業界だったからね。理解するためには、英語だけじゃなくて工学とか電気とか化学の知識もいる。だから基礎的な理解をするための勉強も必要になる。
法規制が業界の動向に影響を与える。それで国土交通省に何度も電話してそれで資料とかも送ってもらった。法規制になる前にいろんなプロセスがあるけどかなりの資料は公開されている。アメリカの法律なら法規制になる前の聴聞会の議事録まで取り寄せて英文で読んでた。
自分で日本で発売されている車のボンネットを全部開けて、それでサービスマニュアルも読んで、それで例えばホンダのアコードのブレーキはどこが作っているか? 日信工業かはたまたボッシュか? 自分で部品業界の地図を作った。みなさんどの車のどの部品がどこで作られているか?知らんでしょ。
ここまでやると投資ファンドの業界の担当者もやってないことをやっているわけだから、そこで初めて会社をよく調べていると言えるわけですよ。他の人より詳しいわけだから。
まあその上でどの情報を取捨選択するかって、キモの話があるんだけど、それにしたって、まずちゃんと調べることです。それでそこからさてどう勝負するかもまさに差別化の話になっていく。
差別化というのは人と違えば良いと言う話じゃない。必要なことをきちんとやることです。だから上に書いたようなことを丹念にやる。そしてその必要なことをやっている人間がこの世にそんないない、となればそれが差別化ということです。
余裕資金って言葉がありますよね。自分で余裕資金がいくらいくらあるとか言う人もいる。余裕資金というのはですね、無くなっても顔色ひとつ変わらずに不機嫌にもならないお金のことですよ。メンタルが投資行動になんの影響も与えない、そんなお金持っている人がこの世にどれだけいますか?
なんにせよ世の中の投資家は甘いとしか言いようがない。会社のことなど大して知りもしないのに調べた気になる。余裕のつもりで余裕のない戦いをする。まあだから今のわたしがあるとも言えるので、あまり悪く言うこともないんですけどね。
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