阿佐田哲也氏から学んだこと
2018年11月18日
わたしの友人知人なんか見ていると普通のサラリーマンとか元サラリーマンだと、だいたい2000万円負けると目が覚めると言うか自分がどの程度か気づくようになっている。その後はチマチマとやって勝ったり負けたりで細々生きていくか、あるいは株は止めるということになる。この辺りがリーマンが負けられる限界なのかしらって思う。自営業とか資産家だともっと単位が大きくなるのかもしれないけどそう言う人は直接は知らない。ほとんどの人はどこかで自分の器量に気づくんだろうけどとことん行ってしまう人もいてそういう人の末路は想像通りになる。
ある株を買ったがけっこう下落してしまった。さてどうする? そうなった上で一番確率が高いのは塩漬けにしてじっと待っていることだと思う。潰れない会社であれば気長に待っていればたいていどこかで上がってきてそれで元くらいになってああよかったと売って胸をなでおろす人が多いんじゃないかしら? 何をやってんだかて話だけどそれでも大負けするよりはずっとましで、それで怖い思いをしたからもう止めておこうとでもなればハッピーエンドである。
危ないのはなまじ知識をつけたりして、塩漬けは素人のすることだなんて信じ込んで、自分も素人のくせに格好良く損きりする輩。まあ格好だけ玄人の真似をするわけだ。これを繰り返していってどうにもならないところまで行ってしまうと、これはもういくら待っても負けを取り返すことにならない。株価が元に戻ってもその分の負けがなくなるだけで今までの累積損失は消えないから。それでらちがあかんとやはり損きりして転進それでまた負けを増やす。
そういう人間は株のことに詳しい。よく勉強している。わたしの知人でも負けているくせに口ではわたしを凌駕する人間なんていくらでもいる。このわたしに講釈する勢いなんだから笑ってしまう。結局できの悪い鎧が一番危ないってこと。自分では武装しているつもりで実はそうじゃないてんだから始末が悪い。鎧なんて着なければ怖くて逃げるから。
いくらでもいいんだけど仮に2000万円負けたとして、そこから盛り返して何千万円も儲けるとかあるいは一財産築くとか、そういう話は聞いたことがない。才覚がある人はまずそんな取り返すのが難しいくらい負けるところまでいかないで、もっと早いどこかで体勢を立て直すよね。もちろん止めるって選択肢もある。わたしなんか株式投資を始める前に一番検討してそして待った。始める前というのはとても自然な姿勢。これを維持することが大切。
阿佐田哲也氏の本を読むとそういうことがたくさん書いてある。ギャンブルも体勢が全てと言っていいくらいだと彼は力説している。それこそ大負けの負け組から勝ち組に化ける人間は彼の小説には出てこない。カモはあくまでもカモ。
彼は人生も体勢だと言っている。良い体勢を維持する人間は何をやってもうまくいく。体勢が悪い人間は無理をしてどんどん自分の体勢を悪くしていく。今自分の体勢がどうなっているか意識するてのはこれはわたしが阿佐田氏から学んだことでこれは生きていく上でわたしが心がけていることだ。ここで下がっちゃおしまいよ、なんて記事をだいぶ前に書いたけど体勢があれば金はどうでもいいくらいに思うくらいでないと。
阿佐田氏の本でもそれから上に書いた株の本でも、たいていの本に罪はないね。悪意を持った本てのはまずない。結局自分自身。読んでいるつもりでちゃんと読んでないかあるいは自分に活かせないか、そうだったら読まないほうがまだましなんだけど、まあ阿佐田哲也氏の本は娯楽小説だから読んで面白ければ良いということで、それはこのブログも同じ。こんな文章読んで納得したとか参考になったなんて思っちゃ逆に危ないかもしれませんよ。
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