ささやかなこだわり
2013年04月21日
児童養護施設にはどんな子供が暮らして
どんな生活をしているか
これは知らない人がほとんどだ
身体や知能の障害を持つ子供たちが
そこでどこにも行かず暮らしていると思っている人もいるかもしれないが
そうではない
そういう障碍者はいない
また施設にずっといるのではなく
施設から学校にも通い
塾にも行き
部活動もする
施設を家庭として、そこをベースに暮らしているのである
子供たちはさまざまな事情で親元で暮らすことができないか
親と一緒が好ましくないか
その背景には、虐待、貧困、病気、
社会の底辺が抱える問題がいくつも絡んでたりする、
施設に収容するか、どの施設に収容するか
これは児童相談所の判断である
わたしが児童養護施設で働き出して半年が過ぎた
今日は日曜日
週末の朝食だけは、調理の職員がいない
でも煮物などは晩のうちに作っておいてくれるので
それを温めて、そして味噌汁は作って
それくらいをわたしが用意する
土日ともなると
みんなのんびりして、なかなか決まった時間に起きてこない
寝過す人間も多いし、また部活動とかで早く出ていく子もいる
でも、10人の子供分の食事は
全部よそってしまい、もうテーブルの上に定刻に置いてしまう
子供は遅れてきて冷めたものを食べる
そうしないと、鍋とか釜とか
いろいろ片付かないからだ
でも、それはわたしはとても嫌だった
いかにも施設という感じでなんか暖かみがない
今日はわたし一人の勤務体制だったので
一度に食事をテーブルの上に並べないで
子供が起きてくるたびに
おやようと声をかけて
ご飯をよそり
そして、暖かいおかずと味噌汁を一人一人に出してあげた
当然片づけるのは遅れるしいちいち面倒だけど
でも子供たちが
あ、温かい、とかおいしい、そう言ってくれると
とてもうれしいのだ
こんな小さなこだわりでも
子供たちの表情が緩んでくるのがわかる
起きてきて、すでにポンと置かれた冷めた食事を
黙々と食べるでは寂しい
ご飯を目の前でよそってもらうのは
それは当たり前のことだけど
その当たり前をしてもらえる
当り前であることの喜びを感じてもらいたい
そういう思いで、無駄な労力を使っている
施設で暮らしたことがない職員にはなかなかわからないことだとは思う
時間も人でもないなか
なかなかやろうとは思えるもんではないだろう
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