作り話でも思いつくまい

2018年05月22日
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家のこと不動産投資のこと
静岡のシゲちゃんの家の登記簿を取った。シゲちゃんは元気なうちは家を血縁のある誰かに譲る代わりに面倒を見てもらうつもりだと遠回しに聞いていたので遺言状でも持った人が出てくるシナリオも考えていたが、誰も出て来なかった。出てきたら静岡の家は何も言わずそのまま差し上げるつもりでいたが、そうではないので私がなんとかしないといけない。

そのままではまず売れない。売るため一旦更地にするとしてコンクリート製の築60年の家の取り壊し見積もりが330万円、産廃業者への処理代見積もりが40万円、測量をすると20万円、相続のために一旦登記をするのに10万円。更地にするのに400万円かけて幾らで売れるかと言うと多分300万円とかがせいぜい。それでも買い手はつかないかもしれない。家を建てるにはいろいろ問題が多い土地なんである。

わたしはこの家に住んだことはないけど、懐かしい思い出がある。この家はシゲちゃんが働いて買ったものだが、名義は親父とシゲちゃんで半々であった。バブルの頃には家と土地で2000万円くらいの価値はあると、親父ははそう言っていた。(怪しい)それがバブルも終わり田舎の土地もそれなりに下がって1000万円もないだろうと言う時期に、親父がわたしに親父の持分を1500万円で買えと言って来た。ローンを組んで銀行から金を借りろと。親父の頭の中ではまだ2000万円の家なのである。

だが親父の持分は半分、2000万円の家だとしても1000万円。それを自分の子供に1500万で売る。どういう理屈かと言うと私が1500万円で親父から買うかわりにシゲちゃんと私の養子縁組をする。そうすると将来的には相続して2000万円の家がハルトモのものになるから500万円儲かるからハルトモにとっていい話だろうと言うのである。

親から、ローンを組んで住むわけでもない家を買う子供なんて聞いたことがない。売った金で親は車を買う? 私が断ると親父は物凄く怒っていた。ハルトモのためにいい案を考えてやったのに断るとはなんだ。そんな息子には家はやらないとそれで親父の名義をシゲちゃんの名義に移した。

親父にしてみればわたしの1500万円で高級車を買い旅行三昧でもと目論んでいたのであろう。当てが外れて残念だが親父が面白いのは親父は私にも得だと多分思い込んでいたことである。もちろん動機は自分が金が欲しい。そこでいろいろ案を練る。その時に都合の良い情報だけを取る。昔2000万円と聞いたから2000万円だ。そしてその家は数十年後も2000万円だとする。さらにわたしが自分が住む家でもないのに1500万円借金するローン金利のことも考えない。とにかく自分に都合の良い話を作って後はそれを信じ込む。否定されると怒り出す。わたしを心配するとしないとか以前に自分のことで頭がいっぱいなんである。これは児童養護施設に子どもを預ける親に共通している性向かもしれないと私は思う。

さてその親父が言うところの2000万円いう家は30年以上の時を経てわたしの手に委ねられているが、冷静に思うのは、親父とシゲちゃんが幾らで買ったか知らないけど、かなりおかしな買い物をしたということである。買った時将来お荷物になることがわからなかったのであろう。だから生きている間でも買い手などつかない。それで子どものわたしに買わせようなどと珍妙な案が出てくる。それも相場よりずっと割高な値段で。作り話でも聞いたことがない。世の中油断がならないと身を持って教えてくれた大した親であった。
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