リゾートマンションの賃貸契約にあたり連帯保証人をつけろと言われた。本人と別生計、65歳以下で定職のある、3親等以内の人でお願いしますと言う。実印を押した上に印鑑証明を出せと言う。万が一わたしが家賃を払わないとか大家に迷惑をかけた場合にその連帯保証人に請求が行くわけだ。
それにしても、ハイそうですか、と連帯保証人を頼めるわたしと同世代の人はどれくらいいるんだろう?わたしの場合はカミさんのお姉さんのご主人、いわゆる義兄にあたる方にお願いしたけどそのお兄さんも1-2年で退職をしてしまう。そうなると条件に当てはまり頼めそうな人間は思い当たらない。自分が歳をくっていけば周りも同じように歳をくうわけだから当たり前だ。年金生活者は保証人としては避けて欲しいとも言われた。たぶん年金は差し押さえづらいからじゃないかしら。一人暮らし用のアパートだと保証会社をつけるという方法があるらしいけど、リゾートマンションとかだとそれを適用していない物件が多いそうだ。
加えて家財保険に加入してくださいと言う。なんで家財保険に入らんといかんのか?
そんな立派な家財を置く気もない。だが中身を見てわかった。家財保険という名前ででいかにも入居者を守るような保険に見えるが、その中に貸主への賠償責任が特約として含まれている。連帯保証人をつけただけではまだ不安で保険にも入っておけということである。
まあ人から物を借りるということはこういうことである。わたしの場合は法人にしか貸したことがないけど、もし個人に貸すなら同じようにきっとするんだろう。借りるというのは買えないから借りるからのだろう、すなわち経済的には余裕がないんじゃないか。だから何かあったときにすんなり金が出てくるとは思えない。という思考の流れになる。
とにかくなんとか借りる段取りはついた。さいたまとの往復で半分以上は空いているので、親戚とか娘とか親しい友人にも使ってもらうつもりである。我が家でも季節が良いシーズンはゴルフとかサイクリングで夫婦で月一くらいでは毎年旅行に行っている。そのお金を考えたりもすると決して高くないような気がする。実際やってみればいろいろわかるだろう。飽きてしまうかもしれない。だからまずは半年という考えである。
それにしても連帯保証人というと思い出す。学生のアパートを借りるときに親父と連れ添いの茂子さんから、連帯保証人になるのを断られた。それで困っておじさんに頼んだ。大学を出て就職するときにも保証人をつけろと言われて、それも親父と茂子さんはNOであった。それで先に社会に出ていた友人に頼んだ。友人は今でもつきあいがあるけどわたしがおかしな人間ではないと信用してくれたわけだが、俺はハルトモの保証人になってやったんだぜと今となって友人間の自慢話になっている。
茂子さんがたいぶ弱って老人ホームに入ることになった時にはわたしが保証人兼身元引き受け人になった。茂子さんは自分が断ったことなんて認知症もあってすっかり覚えていない。わたしも気持ちよくハンコを押した。別に何も怖くもない。どうなってもわたしは対処できる。
借金の保証人になるというのは危険だと思うが、わたしの近い身内には借金の保証人を頼む人間などいない。誰も借金などしないからだ。友人を見渡しても借金で困っている人間もいない。友人に借金の保証人を頼むということはそれだけで危ない人だなって思う。そういう人間とはつきあいがないのが好ましい。
前の会社で部下が車を持ってない。部下と一緒に車でお客のところに通えば便利だし会社からは自家用車使用手当も出るから損もしない。会社にとってもダブルで新幹線代とレンタカー代を払うよりずっとコスト安である。中古車でも買えと言ったら、金がないと言う。ローンで買うと言う手もあったが、わたしが100万円ほど貸してやった。毎月いくらづつと返す約束だったがけっこう滞った。会社からは車分の手当は充分でているんだけど他で金が忙しかったみたいだ。
わたしは怒ることもなく適当にして、だいぶかかって結局金は返ってきたから良かった。まあ保証人になるくらいなら自分が貸してやるほうが、誰から払えと言われる可能性がないぶん気楽だろう。