箱根 強羅花壇続き
2018年04月17日
強羅花壇の料理について。美味しかったと思う。この強羅花壇のネットの評判を見ると割と料理についての辛口が多い。言うには、華がないとかそんな驚くほどでもないとか、それで旅館全体としてコスパ低いという評価になる。たぶん小金を振り絞ってか、自分自身の期待に応えよ、とばかりに乗り込むと期待を裏切られた気分になる。
わたしは前の記事で書いたように、強羅花壇は連泊してこそ味わえる旅館だと思う。和風ではあるけどリゾート。マウイのカパルアベイホテルとかリッツカールトン(どちらも旧名、いまは名前が変わっているだろう)と非常に似た空間と時間を提供している。マウイのカパルアベイホテルなど一週間滞在してホテル内でたっぷりと時間を取って(外ばかりに出歩かないで)そこで空間と時間を楽しむことでリゾートを知る。2泊くらいでそれも観光に出歩いていたら、「空間と時間」まで堪能できない。要は自分の価値観で宿を見るのではなく一度宿の仕掛けにはまってみようというゆとりである。
散々美味しい物を知るお金持ちがここに3泊とか連泊して毎日食べても美味しく頂ける料理という考えでたぶん出しているのだと思う。またここに何度も訪れてもいつも同じようにくつろげるというコンセプトの料理。そう考えていけば納得のいく料理だしリピート客が多いと言うのもうなづける。そんな気をてらったりどうだとばかりに客に押し付ける必要などない。
もちろんそれでも十分な料理で、なにかのお祝いに来ても十分納得のいくおもてなしはしてくれるので普通は不満がでることはない。そうやって使って一流旅館を堪能するのも手だと思う。要は楽しみくつろぎたいという人がいけば良い。自分の視点からこうあるべしと批判する気満々で宿に来ても本当に楽しむとは行くまい。
楽しくくつろげる人が来ればそれで宿の時間と空間の質も高まる。宿泊客も時間と空間の一部であるから。もう2度と行かないと評価する人はきっと宿にしてみれば2度と来なくて良い客なんである。
前の記事に板目と柾目のことを書いた。この宿の贅を尽くした建築。まさに檜の柾目の柱。天井にも柾目の丁寧に貼り込められている。柱を見ればどこにも釘もないので組んでいるんであろう。職人の仕事ぶりに瞠目する。早起きして一風呂浴びて館内をゆったりと歩く。通路脇に咲く花を見やりながら、柾目の柱に手を当てれば暖かく優しい手触り。ほーとしばし佇む。酷評する人はこんな時間を持っただろうかね? なんて思う。
わたしはと言うと、身分不相応でなかなかお邪魔できない宿である。よほどのことがないともう行かないかな? コスパが低いのではなく単純にわたしには高い。
- 関連記事
-
-
大内宿 2013/05/09
-
熊に遭遇した!@サケマスが遡上する川 2021/09/05
-
自分が似つかわしい宿を選ぶ 2021/08/29
-
箱根の濁り湯 2014/03/17
-
とびしま海道80kmサイクリング完走しました 2021/10/03
-