計画倒産だろう
2018年04月10日
このブログは不動産に詳しくない人が多いと思うから解説しておきたい。
オーナーはずいぶんと高い買い物をさせられているけど、サブリースと言ってスマートデイズが家賃保証をしてくれているから利回りはそれなりに出るように見える。だけど現実にはそんな高い家賃では入居者が集まらないのでスマートデイズは逆ザヤで貸していたそうである。それどころか空き家でも家賃をつけていた。つまり損をして回す。その源はそもそもオーナーが割高に建ててくれた利益。これでは長いこと続くわけはない。
この会社2013年に創業してわずか数年で売り上げ300億円にまで急成長した。急成長と言うか、嘘っぱちの家賃保証を掲げてカモ(オーナー)に売りまくった。
駿河銀行もどんどん融資した。でもそれもいつまでも続くわけはないと、これはスマートデイズも駿河銀行もわかっていたわけで(誰でもわかること)。どこかで逃げようという作戦だったことは明らか。
それで頃合いを見て駿河銀行が融資を止める。そうすると他の銀行はそんなおかしなビジネスモデルに金を貸さないからアパートが建たなくなる。スマートデイズもいつまでも赤字でサブリースをする意味はないので同じく破綻させる。破綻してもオーナーが騒いでもたくさん売りまくった利益はどこかに行ってしまってほとんど残っていない。これはこれからだが、まず間違いなくそういうシナリオになるだろう。数百人のオーナーに一棟あたり数千万円の利益を乗せて売っていたそうだからわずか数年で数百億円を稼ぎ出したわけでまんまと持ち逃げであろう。
スルガ銀行も建築業者も丸儲け。オーナーは属性の高いサラリーマンだから給料も入るしローンはずっと払ってくれる。駿河銀行が損をすることはない。オーナーは赤字のアパートとローンを抱えて、さてどうしたものか?となる。こういう経緯で作られたアパートだからどうせ劣悪な作りだろう。売ろうにも売れまい。それなりの学歴もあって社会的な立場にある人たちが、なぜこういとも簡単に騙されたのか? という話である。
さてここまで酷くはないけど似たような運営をしている会社はとても多い。銀行融資のつきやすい属性の高いサラリーマンがターゲットである。いくらしゃぶりつくされてもローンを払い続けてくれる心優しい人たちである。ローンでアパートを建てさせる。家賃保証を謳う。だが現実にはその家賃保証は最初だけで後はどんどんと家賃は下がる。そんな黙って人を儲けさせてくれるわけはない。どんどんと家賃が下がったらどうする? そこでまた新しく建てさせるのである。新しい物件を建てればキャッシュフローは一息つく。こうやって物件の担保価値と属性の許す範囲で建てまくり貸しまくる。このビジネスモデルもアパート建てさせた時点で利益が確定している。あとは適当にオーナーをあやしながら泡よくばもう一軒建てさせようと目論む。その連続である。
融資を受けてアパートをどんどん増やす人というのはけっこういる。たくさん持っているとメガ大家とか言ってもてはやされて成功した気になる。でも借金もメガ級である。よく考えればわかることだが家なんてそんなにたくさん必要はない。もしも本業がきちんとあって、その上でまともな家を自宅以外に無借金で一軒でも二軒でも持ってそれを貸していればもう一生安泰なんである。
それなのになぜ借金しまくって物件を増やすのか? そうしなければ回らないからである。そうやって建築業者と賃貸運営業者と銀行とをたんまり儲けさせて、その上澄みを自分のリスクですくい取っているだけの存在になんで喜んでなるのか? 本当に不思議だけど、これはたぶん生い立ちとかに関係しているとわたしは感じる。よほど親切で優しい人に囲まれて育ったんじゃないか? はたまた自分の頭で考えることを全く教わっていないか? でなきゃそんな簡単に騙されるわけはない。
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