車で出張ならゴルフロッジがオススメ
2018年03月24日
以前メババンク銀行員のふーさんが言っていた。同じことを公務員のいまさんも言っていた。実績とか業績のように目に見えるもので人間を評価するのではなく、なんとなくあいつはできる、と評価をしていく曖昧なプロセスが日本の組織にはあって、それが固まると落ちることはあっても上がることはないと。
その評価プロセスは総合的なもので、例えば気配りとか円滑な調整とか、あるいは人脈とかひょっとしてお世辞おべっかまで含んでいるらしい。要は組織と組織に属す人間をどれだけハッピーにできるかとも言える。特に上司そのまた上司とつながるラインは重要である。上司を喜ばせるにはいろんな方法があって、今流行りの忖度というのも当然ある。上にとって言わなくていいというのはとても便利なんである。
わたしのように業績は抜群に上げるけど、過去のやり方とか慣習を否定して敵をわんさか作る(わたしは敵だと思ってないけど向こうは思う)ような人間は困った君である。さらには業績をださせないように包囲網を作るという手もある。業績もそんな組織に軋轢を呼んでまでファンタスティックに出す必要はないという見方もある。
わたしが社会人になって最初に入った会社がまさにそんな会社であった。なんか歌舞伎のような芝居がかった仕切りが社内で多い。業績業績と二言目には騒ぐ割に、本当に成長させるより適当に数字をまとめることが優先。とにかく根回しとか調整とか気くばりとかにうるさかった。
その会社は今でも存続しているけど、30数年前に比べて売り上げはかなり減って利益も半減である。それでも今だにわたしがいた時と同じような社内ゲームが延々と繰り返されているんだと思う。そういう会社でももちろん出世する人間はいる。業績は関係ないとは言わないがそれほど重要ではない。だって会社そのものが全く成長していないどころか、ゆっくりと縮小路線を歩んでいるのである。
そんなゲームを特異とする人間もいるんだと思う。ある意味ツボを抑えたら簡単とも言える。ただわたしは不得意と言うより、そういうゲームが嫌いだった。やる気がしない。だから8年ほどで見切りをつけて転職をした。ただ不思議なことにわたしみたいに会社を辞めて外資系に行った人間はわたし以外に聞かない。またみんな似たような日本の会社に転職している。社内ゲームでどうしても嫌な奴がいて我慢ならないとか、あるいはゲームに破れて追い込まれて嫌気がさして辞めるとか、そういう人が多かったと思う。わたしの場合はもう数年遅れて管理職にでもなっていたら転職の機会を逸したかもしれない。わりと数少ない機会を生かす運をわたしは持っている。多いのは不満はあるけどずっと勤め上げるという人。我慢我慢のサラリーマン人生というわけだ。
そんな会社なんだけど、勤めている人間も辞めた人間も垣根なくとても仲が良いのである。会社をやめて30年なのに今でもお誘いを受けることもあるし訪ねれば温かく迎えてくれる。これまたとても不思議である。もちろん嫌な人間は呼ばない。うまいこと偉くなった人間はほんの少数で、ほとんどは我慢我慢だから、まるで戦友のように友情を育むのかもしれない。
そんな友人と栃木で集まって一泊で飲み会をすることになった。出張で東北の人間が栃木に行く。それでわたしが合わせて遊びに行くというわけだ。出張ならビジネスホテルと相場はきまりだが、車の出張だと言うのでわたしが提案してゴルフ場付属のロッジにした。安いしリゾートぽくてくつろげる。
ゴルフ場の露天風呂でくつろいで併設のレストランで楽しく飲む。わたし以外の人間は当日仕事を終えて駆けつける。一泊して飲んでまた翌日は仕事である。わたしは当日ゴルフで翌日もゴルフである。わたしの仕事はゴルフってことだね。一人でも泊まりでゴルフに行くんだからそれに友人との飲み会がおまけでついているってことでご機嫌な夜になるんだろう。ゴルフロッジの話を詳しく書こうと思ったんだけど、用事ができたのでこれで終わり。
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