共感する人いないみたい
2018年01月27日
我々に蕎麦がきて美味しくいただいていると、そのおっさんが八海山と日本酒を追加注文する。我々が蕎麦を食べるより早くさっさと一合飲むとそのおっさんは出ていった。我々が食事を済ませて店をでるとホンダの営業車はいなくなっていた。やはりあのおっさんの車だったんかいな? だとすればかなりまずい話だが、いったい彼はどういう人生を歩んでいるだろう、と夢想を禁じ得ない。ろくな人生ではないことは間違いなさそうだが。
学生時代に土方のアルアバイトをわりとたくさんやった。多くの個性的職人と接する機会があった。ある左官職人。たぶん年の頃は当時で50くらいだと思われけど、奥さんが仕事についてくる。一緒に定食屋で昼飯を食べるんだけど、そこで日本酒を注文するがコップの日本酒がブルブル震えている。大丈夫かいなと見ているが、一口二口飲むにつれて表情が恍惚としてそして震えがピタリと止まった。ああこれが所謂アル中だと思った。午後の仕事だが、結局そのおっさんは一時間もすると仕事にならない。また手がブルブルと震える。そこで奥さんがカップ酒を差し出す。それで手が定まる。飲みながらでないと仕事にならない。その上でだが仕事ぶりは素人のわたしから見てもろくなものではなかった。
吉野家のアルバイトを学生時代長くやった。夜の11時から朝8時までの勤務。新宿店だったから夜中でも客はけっこう来て、そしてたいてい酔っ払っている。そんな酔っ払いの会話はあまり意味をなさないけど、でもわたしは聞いていて興味深かった。言っては悪いけどおもしろい。酩酊すればその人の人生がそのまま浮き出る。当時から人間ウォッチングが好きだったんだろうね。
吉野家でまたアルバイトをしてもいいかななんて気がする。いろんなお客が来る。それを見ていろいろ想像するのである。吉野家はわたしの社会人としての原点に近い。もう一度そこに戻って時給1000円くらいで働くなんてなんか愉快じゃないかしら。吉野家で働いていますのでせひ来て下さいとFACEBOOKにも書いて。そうするとああ、大企業で幹部を務めたあのハルトモさんが吉野家の店員にまで身を落として、ああ哀れだななんて、そうやってサラリーマンがわたしのことを同情をしたら、それはなんかとても愉快かもしれない。誰も共感せんかな? この気持ち。
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