確定給付年金と確定拠出年金
2018年01月27日
名古屋の友人からメールが来た。雪で電車が動かず車内で暇つぶしでメールを打っているらしい。サラリーマンでごったがえす駅や車内を見ると情けない気持ちになる。自分はまだままこんな生活を続けないと行けない。ハルトモのような生活は夢のまた夢だと。
大雪ご苦労様である。雪だからゴルフをしないとか言ってるわたしと違い労働者は決まった時間に決まった場所に行かねばならない。わたしは勝手気ままなサラリーマンだったけど、それなりに制約はあった。最後の10年間はやりたい放題だったけどその前は大変な思いをして移動したこともあった。
確定給付年金と確定拠出年金と違いはおわかりになりましょうか?わたしがかつて在籍していた会社は確定給付年金がまずあった。給付される金額が決まっている年金である。その給付を実現するためには会社というか組合が運用をしないといけない。それなりの運用実績を長期間出し続ける負担が企業側にある。
それに対して確定拠出年金というのは拠出される金額を確定したらあとは加入者に丸投げにして勝手に運用しろという制度である。勝手に運用と言っても個別株とかできない。投信を買うのである。これだと組合側が破綻するとか行き詰まる可能性はなくそして運用しないで良いのだから楽である。
ただ退職金で運用しても損する人間の方が多いという現実があって、それを早めにやらされるだけで確定給付のパーフォーマンスを超える個人は非常に少ない。ここ数年は地合いが良いので増えている人も多いけど、何十年とやったらかなりの人間が損をするだろう。
わたしがいた会社は年金では日本で有数の手厚さで、この確定拠出年金をいち早く取り入れた。取り入れたというのは従来の確定給付年金の上に更に積み上げたのである。 これなら加入者に手厚い。だが今日本の企業が多くやっているのは確定給付年金から確定拠出年金への切り替えである。企業の負担を軽くするためである。自分でやるからチャンスと捉えてください、、なんて言うけど、大多数はうまくいかないてのは承知なんである。だって企業側が自分でやってうまくいかないから加入者個人に投げたのである。
これだけいいように蹂躙されていても日本の労働者は騒ぎ立てる様子もなく大雪でも家の雪かきはそっちのけで会社に馳せ参じる。そして立ち往生した電車の車内で暗澹たる気持ちになる。まったくご苦労なことである。
我が家の場合は、年金は何層にもなっている。
1、わたしの老齢基礎年金 1階
2、わたしの厚生年金 2階
3、わたしの厚生年金基金 3階
4、わたしの企業年金第一 4階
5、わたしの企業年金第二 5階
6、わたしの確定拠出年金 6階
7、かみさんの老齢基礎年金 1階
8、かみさんの厚生年金 2階
9、かみさんの私的年金 3階
6階と3階で合計9階建である。これだけ手厚い年金があるからサラリーマンは良いなというわけではない。これだけ恵まれた年金にあずかれるサラリーマンは10人に一人もいないだろう。
就職活動をしている娘とか娘の彼氏と食事をしたけど、年金についてよく調べた方が良いとアドバイスしておいた。会社の福利厚生の中で一番大切なものである。気にせず入社してそして働いている間もさほど気にせず、そして定年まで数年となって初めてこうなっていたんだと気づく。その時にはどうしようもない。だからサラリーマンは企業からいいように蹂躙されるのである。
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