初笑い

年末は出来の悪い芸人が多くて閉口したが今日は新春ということもあるのか、気合の入ったよく練られた芸が多くて笑う笑わない以前に満足度が高かった。出来の良い芸は見ていて気分が良い。もちろんよくも笑った。

寄席がはねると外はもう暗い。一応参拝もして甘いものも買ってさて何を食べようかとかみさんと相談してそれで洋食にした。老舗の洋食屋で赤ワインを頂きながらゆったりと食事。我々が入ってすぐに老夫婦が入店してきた。どう見ても８０後半から90くらい。普段着だからたぶん近くの住人。常連のようである。だんなさんはそれほど広くもない店内でタバコに火をつけてゆっくりとくゆらし出した。　それがまた実に美味そうな表情。言葉少なだけどなんか少しは話しているようだ。耳は遠くないのかな？　そして偶然にも我々と同じオーダーのハンバーグとシチューが運ばれくると二人で仲良くシェアして食べ出した。二人とも旺盛な食欲である。もちろんタバコ以上に美味しそう。

きっと古くからの常連なんだと思う。けっこう店が知られるようになる前から通っているのかもしれない。そしてわたしが見た光景を何度繰り返してきたんだろうか？

レストランでタバコを近くで吸われると嫌でたまらないわたしだけど、そんなこと少しも気にならないくらい雰囲気に溶け込んだ老夫婦。幸せな人を見るとこっちも幸せな気分になる。その好例じゃないかと思った。

わたしはカミさんと遊ぶことがとても多いのだけど、よく人からは仲が良くていいですねとか言われる。もう少し年を重ねたらこの老夫婦のようにいい味だせるかもしれない。もちろんタバコは吸わないけどね。代わりになんか大声で話すとか、、それで微笑ましいなら一番だ。

そう言えば今日寄席でかみさんと大した話をしていないのに、横のおばさんがそれを聞いて笑っている。夫婦漫才みたいですか？って聞いたらうなづいてもっと笑っていた。どんな話をしたかは覚えていない。普通に話していただけだ。