銀行員の言うことなら

2017年12月24日
0
0
マネーと生活
銀行員の社会的なステータスは高い。銀行員の言うことなら信用できると思う人間はとくにお年寄りに多い。お年寄りはお金を持っている。そのお金を持っているお年寄りに銀行員が近づき、いろいろな金融商品を売り込む。お年寄りは銀行員の言うことだから信用できると思いいろんな商品を買い付ける。

だが銀行員が熱心に売り込む商品は販売の手数料が高い商品ばかりだ。どうせ売り込むなら儲かるものを売りたいと考えるのは当然。例えば外貨建ての生命保険を1000万円買ってもらえば銀行には手数料が50万円とか入る。投信信託でも20万円とか30万円とか入るものもある。たいてい複雑な金融商品。外貨が絡むことが多い。

1000万円を投資して数十万円の利回りを得るのがこの低金利時代にどれだけ大変なことか? それなのにそんな手数料が高いものを買っていたら儲かる可能性がどれだけあるか? 言うまでもない。1000万円で買ってすぐに解約しても、もうその時点で数十万円は確実に損しているのである。

銀行員は販売成績を上げ続ける必要がある。だが売り込みに応じて新規で買ってくれる人間がどんどん見つかるわけではない。だから前に買ってくれた人間に買い替えさせるのが一番効率的である。あるいはすでに何か持っている人間にはいったん売らさせる。そこで一旦買わせて、しばらくして、もっと利回りの良い商品がありますよとか、あるいはここは早めに損きりして違うものを買いましょうとか、そうして1000万円を何回か買い直させることができれば100万円200万円と手数料が銀行に入る。そんなことされて損しない人間がいないわけがない。だいたい言われた通りに買う時点でもう負けは始まっているのである。

それでも銀行員にとって一番望ましいシナリオはお客がそれほど損しない範囲でお金が回って買い替え買い替えで銀行に手数料がどんどんと入り続けることである。あまりお客が儲かってしまうと買い替えさせるのは大変である。かと言って損ばかりしていると1000万円がどんどん目減りしてしまいにお客は止めてしまう。だからそこそこが一番良い。いずれにせよ顧客の金を回してリスクなしで儲けるのは銀行である。

銀行では、売り込みにあたっては決して嘘をついてはいけない、また商品について丁寧に説明しなさいと、上の人間は言う。お客様にはきちんと納得して買ってもらいなさいと、、だが成績は必ず上げてこいよ、上げなかったらどうなるかわかっているだろうな? となる。銀行員は良い給料をもらっているから自分の生活は守りたい。出世もしたい。そこでどうやって嘘をつかずお客に納得してもらうか、知恵を絞ることになる。だが銀行に入る手数料の話は絶対にしない。嘘を言うということと本当のことを言わないということは同じではない。

ひとつの良い方法はお客の信頼を勝ち得ることである。信頼されていれば売り込みやすい。時にはお願いすればお客は応じてくれる、、それくらいの関係になればしめたものだ。その信頼というのは実際に儲かるという実績よりも、むしろ人柄である。自分という人間性を買ってもらうことである。だがやっていることは実態としてはお客の金を回して自分の利益を図ること。そこを自分の人間性で補うとなれば、銀行員の抱えるストレスは並大抵ではない。自分の人間性まで売り渡すのである。

たまに損したお年寄りの身内が銀行にやってきてクレームをつけることがある。こんな複雑な金融商品をなんで買わせた? 年寄りが理解できるわけないじゃないか、と。だがそこで生きてくるのが、誠実に丁寧に説明したというプロセス、それは営業記録としてきちんと残されている。誠実に丁寧に説明をするというのはお客のためというより銀行を守るためだったというわけだ。担当者と上席者は丁寧にクレームに応じてくれるが、決して自分の非を認めることはない。と言うより彼らにしたら非はないのである。やるべきことはちゃんとやっている。裁判になっても負けることはない。

銀行員はお客にいろんなリスクを説明する。また出した書類読んでいただけましたか?と確認してくる。長い説明になる場合もある。だがそれはきちんとやらないといけない。お客が自分を信用してくれているからと言ってパスしてはだめである。ろくにお客は聞いていないな、、と心中思ってももちろんそんなことはおくびにも出さず
丁寧丁寧に。当たり前である。それは自分を守るためであるから。

銀行銀行と書いたけど、これは同じことを証券会社は長年やってきている。ただ証券会社の営業マンと銀行員では信用度がちと違う。銀行も収益をあげるために手数料の高い金融商品を売るようになってきているという背景がある。金利も安いので本業である融資では利益がでなくなっているそうである。

テレビでこんな話をやっていた。わたしがそれを見てまとめたのが上の文章である。身内に金のある年寄りがいたら、金融機関の人間には十分気をつけることである。

わたしは他人ではあるが母親として面倒を見ているしげちゃん、しげちゃんは静岡に支店のある大手証券会社の人間が足繁く通い、何度も何度も売買させられ、大きな損を出した。わたしがしげちゃんの面倒を見るとなったので資産状況を見て知るに至った。即刻全部解約して口座を閉鎖である。その手続きのために証券会社に行くと、担当者と上司の課長が出てきた。明らかに緊張している表情。わたしは言ってあげた。

わたしは揉める気はありませんよ。その時の二人のホッとした表情が忘れられない。やはり揉め事はないほうが会社での評価には良い。お客が機嫌よく損してくれるならそれが何よりなのである。揉めても金は返ってこないことはわかっているし、しげちゃんはそもそも他人、損したお金は一般的には大金だとは思うけど、別にわたしが欲しいわけではない。それにしてもあの二人は今でも元気かな? ストレスで病気になっていないかな? 金融機関で働く人間はもし病気になればストレスとなんらかの関係を疑ったほうがいいなと思うね。
関連記事
ハルトモ
Posted by ハルトモ
自由人ハルトモ。那須とさいたまを毎週往復するリゾート&リタイアライフ、そして旅、投資ネタもありのブログです。
自己紹介へ

Comments 0

There are no comments yet.

コメント投稿