空飛ぶタイヤ

2017年06月15日
0
0
サラリーマンライフ
フィットネスジムでランニングしながら空飛ぶタイヤというドラマを見だした。これは三菱自動車のリコール隠しという実際にあった事件に基づき描いたものと言われている。部品に十分な強度がなくタイヤが走行中逸脱してしまうという不具合それで実は死亡事故も起きているのだが、三菱自動車はそれをユーザーの整備不良であるという調査報告をあげて自社の不具合を隠蔽したという事件である。一話1時間で五話。全部で5時間一気に見てしまった。

わたしも同じ業界にいたのでわかるが、自動車というのは事故で怪我や死人が出る危険がある命を預かる業界である。と同時に競争も激しくコストや納期なども絶対に守らねばならない。そしてやっていいこと悪いことの境界は非常に曖昧である。技術的な複雑さがそれに輪を掛ける。でも絶対にやってはいけないってことはやってはいけないのであるが、しばしば一線を超えるということがある。組織を守るという御旗が出てきて正義を気取る。そして一線を超えても露見しないことも多いのである。

わたしのいた会社は大手でいろんなことをやっていたが、わたしは自動車用センサーの事業部に所属していた。エンジン、ブレーキ、ステアリング、トランスミッション、わたしが売っていた製品はミッションクリティカルと言って重要保安部品がほとんど。故障とか不具合というのは絶対ないとは言えない。100万個単位で納入するのであるからいくつか出る。長年その仕事をしていて実際に重大事故に直面したことがなかったのであるが、今にして思えば運が良かったなと思う。空飛ぶタイヤのように死亡事故が起きてしまったらそれは一生引きずるだろう。

それにしてもわたしのしていた仕事もまるでそのままドラマのようであったとドラマを見ていてそう思った。前にも書いたが、社長と品質保証部長が結託して、偽装を画策したことがあった。コスト優先で顧客との約束と違うものを隠蔽して出荷しようとしたのである。黙っていればわからないと思ったのだろう。だがそれはしてはいけないことである。それで不具合が出て、万が一にも事故に繋がる可能性だってある。それを聞きつけたわたしは営業部長ながらもし出荷したら証拠ごと顧客に出すぞ社長を脅した。そう言われては出荷できない。ハルトモなら本当にやると社長は思っただろう。ということで結局出荷させなかった。

そんな人間であったからあとを継いで社長になんかなれっこない。自分で出世の道を閉ざしたとも言える。営業部長であれば所轄外、見て見ぬ振りも出来たのであるがわたしはそれをよしとしなかった。ドラマでは組織の中で悩む人間がたくさん出てくる。それが普通だ。みんな自分が可愛い。がわたしはそういう人間ではなかった。わたしだけだったね。

でもそれがわたしなりの自分を大切にするということである。己の納得を積み上げてわれながら格好よく生きる。今にして自分で思うが、それで間違ってなかった。われながら大したものであった。
関連記事
ハルトモ
Posted by ハルトモ
自由人ハルトモ。那須とさいたまを毎週往復するリゾート&リタイアライフ、そして旅、投資ネタもありのブログです。
自己紹介へ

Comments 0

There are no comments yet.

コメント投稿