日経平均連動型仕組債

2017年06月09日
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マネーと生活





数年前に日経平均連動型の仕組み債のことを書いた。仕組み債を勧められたことがある方はおられるだろうか? 以前は単位は1000万円のとか5000万円とか大きくて資金がそれなりの規模の投資家に売られていたものだが、最近は100万円単位とかまで小さくなっているので一般の個人投資家にも売られているようであるから、もう一度取り上げてみようかと思う。かなり危ない債権だとわたしは思う。

仕組みは複雑である。本当の意味がわかって買っている人は少ないが、まずトリガー価格というものがある。105%とか当初の日経平均から少し上がったくらいで、そこになると償還されてしまう。ハイ終わりと元本返してくる。その一方でノックイン価格という設定があってそのノックイン価格に一度でもタッチしたらその後は日経平均に連動して価格が変動する。ただ上限があって元本以上になることはない。そしてそのノックイン価格とトリガー価格の間で日経平均が推移している限りは日経平均と関係なく1%とか市中の金利より高い金利をつけましょうという商品である。

最近証券会社から送られてきたものではノックインは60%である。つまり日経平均が20500円から12000円の間で推移している限りは投資家は金利を手にできるが、一瞬でも12000円を割ると、当初の価格の60%になり、大損する。この債権の本当の意味はプットオプションの売りであるということ。金利というのはそのオプションのプレミアムであるということ。満期日は3年後だから、つまり運用方は、ひょっとして3年以内に日経平均が12000円を割ることを心配していてそうなってもいいようにプレミアムという掛け捨て保険料を払って個人投資家にリスクを負わせているということである。

もしも日経平均が12000円にならないと思うのであれば、多少の利回りはつくので買ってもいいのだが、それを売る運用方はそうとは限らないと思っているからこういう商品を売っているのである。営業マンは12000円にはなりっこないですよね、、とかどうせ12000円になったらみんなお手上げだから同じですよ、というセールストークをするが実は逆のことを考えているのである。

手を出したから損をするというようなインチキ商品というわけではないが、銀行や証券会社のリスクヘッジに取り込まれて利用されているというのは間違いないのでそれでけでわたしは買う気がしないが、利回りに釣られて買う人はけっこういる。本当の意味がわかっていればいいんだけどね。
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