下流老人にならないために

2017年01月10日
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マネーと生活



この本は娘の大学の授業の課題で、これを基にレポートを書くようで、わたしもちょっくら斜め読みをしてみた。筆者は埼玉県で貧困老人のケアを10年以上NPO法人の代表として行い多くの事例を現場でみてきている。これからは老後中流はいなくなり、ごく一部の富裕層=上流老人と多数の貧困老人つまり下流老人とに二極化していくだろうと筆者は言う。下流老人には3つのナイ、収入がない、貯蓄がない、そして頼れる人がいない。

さらに言う。下流老人になる人間の多くはまさか自分がなるとは思っていなかった、、、と。いくらか貯金があって安泰と思っていたのにそれがあれあれよと消えて行く。転落する理由は様々。病気が多いが病気そのものというより高額医療費補助制度の知識不足で公的補助を活用できなかったり、あるいは病院の進めるままに高額の差額ベッドを払い続けて貯金が底をついたとか。病気以外でも、独身なのに900万円もする墓を買ったなどの身分不相応な買い物をしたりとか、本人の脇の甘さが原因と思われる事例が多い。

自分では中流レベルだと思っていてもあれよあれよと転落するトラップがこの世の中満載で、かつそれを救うセーフネットも十分でなく、一言で言えば「油断ならない時代」になってきているということだろう。60歳で定年になっていくらかまとまったお金を持っていても安心できないそうである。下流老人の予備軍の裾野は広い。

この本を読んでわたしが思ったのは、こういう本が売れるようではますます老人の財布の紐は固くなったいくだろうなということである。けっこう金があって年金もちゃんと出るという安心感があれば、長年苦労して働いてきたのだから少しくらい遊んで暮らしたいとそう思っても不思議はないのに、とてもそうは思えなくなる。

この日本で金を持っているのは老人である。その金を持っている人間が倹約に向かえばそれは消費は落ち込み景気は悪くなるということである。一億総活躍というのはみんな働こうというスローガンである。年金もあてにできないし消費税もあがるから働かないと食っていけないぞという話である。うまい仕事が老人に保証されるわけはないから倹約の二文字がファーストになる。

少子化となり高齢化が進みそして莫大な借金を国が抱え、様々な社会保障システムにがたつきが出て維持が難しくなってきている。この日本が下流老人ならぬ下流国家に向かっていくという可能性は長期的には大いにあるのだろうなと思う。ただどんな貧しい国にも金持ちは必ずいる。日本も格差がさらに広がっていくということなんだろう。

さてでは下流老人にならないためにはどうすればいいのか?これはこの下流老人の実態に明るい著者の言葉にヒントがある。下流老人は貯蓄がなく収入がなく頼れる人がいないから、この3つのナイからなるべく遠くにいることである。頼れる人はどうにもならないケースも多いが、若い人は結婚して子供を持ったほうが安全だろう。せめて伴侶はいたほうが良い。やはり独身は怖い。ただまともな家庭でないと親を見捨てる子供になりかねない。さらにこどもを育てる負担もあるからそこはジレンマ。貯金は多ければ多いほどよいだろうが、2ー3千万円では安心できないと著者は言う。

もっとも大切なのは収入の維持であろう。年金だけでは危ない。年金以外の収入源をどうやって確保するか? まあすでに老人であれば働くというのが現実的な答えなんだろうが、若者は早いうちからよく考えて自分の生活設計をすることである。調子に乗った消費を抑える。高級車は乗らずに家も住めれば上等と割り切り借金を減らしはやめにローンを返す。副収入を得る方法を考えたり、手に職をつけたり、あるいはリスクもかなり高いがわたしのように投資に活路を見出すか? よく考えて早いうちから手段を講じることである。

そう考えて行くと老人どころか若者や現役世代さえ財布の紐はかたくならざるを得ない。この日本の景気が冷え込みますます下流国家に向かうというシナリオになるが、なに国家はどうでもよろしいから、まずは自分が下流にならないように全力を尽くすのが本筋だろう。全員が下流にならなきゃ下流はいないのだから。


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ハルトモ
Posted by ハルトモ
自由人ハルトモ。那須とさいたまを毎週往復するリゾート&リタイアライフ、そして旅、投資ネタもありのブログです。
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