マクロの数字に騙されない

2016年12月21日
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株式投資



一般にはインフレになると現金は相対的に目減りするのでキャッシュ保有は損であるという話を聞く。たとえば高齢者の貯金がいくらか知らないけど仮に100兆円であればそれがインフレに伴い買えるものが減るので実質90兆円とかになるという理屈だ。でもよく考えると100兆円別に使うわけじゃないよね。買えるものが減ると言うだけでそもそも買わなきゃ影響はない。

AさんとBさんがいて、どっちも年金で月に20万円で暮らしていると考えてみたい。Aさんは貯金が100万円、Bさんは1億円である。今はゼロ金利なんで利子収入はどっちもない。それがインフレがやってきて生活費が高騰して10%も上がったとしよう。そうすると毎月2万円の赤字になってしまった。それは貯金を切り崩して生活したとしよう。年240万円の生活費が264万円、毎年24万円の増加。そうするとAさんは4年で100万円の貯金がなくなってしまう。Bさんは4年経ってもまだ9000万円残っている。

さてインフレになって4年も待たなくても、物価上昇に追いつくほどではないけど、金利も遅れて少しは上がって行く。ところがいくら金利が上がったところでAさんは生活費に使い込んで目減りしているのに加えて、もともと大した貯金じゃない。仮に100万円温存していても1%の金利がついても年1万円じゃあ24万円の生活費上昇の前に大した意味はない。

さてBさんはどうなる? 一旦9000万円まで目減りはしたが、そこで1%でも金利がつくようになると一年で利子が90万円ももらえる。物価上昇の24万円を引いても、ますます豊かになって行く。一方Aさんは貯金が底をつき切り詰めて月に18万円で暮らしていくしかない。差は広がるばかり。

同じ預金者でもこれだけの差がつくわけだが、これは生活費と資産のバランスの差が大きく影響している。いくら物価が上がろうが、金があって、それですでに欲しいもの十分持っていてさほど使わないのであれば影響は知れている。伊勢丹の干物が400円が450円になろうがどうということはない。案外生協で250円のものを買ったら(生協では高級)これは十分美味いなとかなるんじゃないか?

物価上昇は金利上昇を上回るだろうが、その上回った分以上に生活費に対しての保有キャッシュが大きければ逆に豊かになっていく。物価上昇と金利上昇はもちろん同時に起こらない。金利上昇が遅れる、それも金があれば悠然と待てる。金がないと待てずに使い切ってしまう。


富裕層で全資産をキャッシュという人はいなくて、いろんな形で保有しているわけだろうが、インフレで現金が危ないとあまり変なものに手を出すのは考えものだ。特に今は不動産はバブル気味である。しがないサラリーマンが手を出してきている。その時の営業マンのセールストークが現金はインフレで目減りしますよ、という言葉らしい。まあ借金している人間にとっては物価が上がって家賃も上がればそれはおいしい展開だが、そんなうまくいくかな?

そもそも不動産投資で儲かったと言える人間がせいぜい10人に一人である。いくらチャンスだと言って10人に一人が倍の二人になったら、それはすごく儲かった人間が増えたということにはなるだろうが、大多数は負けているという厳然たる事実は何も変わっていないことを忘れてはいけない。最初の貯金が目減りするのと同じで、マクロの数字に騙されてはいけない。あくまでも自分は個であると、そこをよく考えることだ。
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ハルトモ
Posted by ハルトモ
自由人ハルトモ。那須とさいたまを毎週往復するリゾート&リタイアライフ、そして旅、投資ネタもありのブログです。
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